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『…あらら、威勢が良い割に大したことないですね』
足元の拳銃を蹴飛ばして、無様に転がる男達を見下ろす。
一掃するのに10分とかからなかった。
昨日相手した人達よりは骨があったけど、まだ弱い。
それにどうやら拳銃は脅しだったようで、弾は込められていなかった。
そうだよね、今のこの世界じゃ拳銃を手に入れる事さえ難しいらしいし。
「……お前、何者だよ」
『え、ただの一般人ですが』
妙に難しい顔をしているお兄さんに真顔で返す。
マスクをしてるから私の表情なんて向こうは分からないと思うが。
「嘘吐け!一般人がヤクザをボコボコにできるかよ!」
『おーどうどう、あんまり興奮すると血管切れますよ?』
「るせーーっ!」
暴れ馬を宥めるように言ったら更にキレられた。
解せぬ。
「つーかお前、肝座りすぎじゃねえか!?」
『いやあそれ程でも』
「褒めてねぇよ!!」
また爆発した。
血圧上がりすぎて脳の血管プッツンといっちゃいそう。
なんて怒りっぽい人なんだ。
一回殴って落ち着かせるって案も思い付いたけど、流石にそれは私も躊躇う。
「左馬刻!」
と、お兄さんの背後にこちらへ走って来る人影を見つけた。
黒いスーツに七三に分けた前髪。
少しお固そうなイメージの人だ。
どうやらサマトキお兄さんと知り合いのようで。
「んだよ銃兎か」
「約束の時間になっても来ないから探してみれば…またやりやがったかこの野郎」
ジュウトと呼ばれた男の人は、呆れたように溜め息を吐き額に手を当てる。
意外にも口が悪い事に驚いた事は秘密だ。
そして私を視界に入れると、ピシッと固まった。
「…おい、まさか彼女を巻き込んだのか?」
「はあ?違えよこいつが勝手に巻き込まれに来たんだよ」
「んな訳あるかよこのド阿呆!」
「あ"ぁ"!?誰が阿呆だテメェ!」
『え、ちょっと?』
出会って数秒で喧嘩勃発です。
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麦子(プロフ) - いまづきさん» ありがとうございます。頑張ります(*^^*) (2018年12月6日 18時) (レス) id: 7a9f7e3baa (このIDを非表示/違反報告)
いまづき(プロフ) - 早く続きが読みたいですね! 応援してます! (2018年12月5日 23時) (レス) id: 14b35c0538 (このIDを非表示/違反報告)
麦子(プロフ) - すらいみーる@元もちづきさん» リクエストありがとうございます…!了解しました! (2018年11月26日 18時) (レス) id: 7a9f7e3baa (このIDを非表示/違反報告)
すらいみーる@元もちづき(プロフ) - リクエストなんですが、主人公ちゃんと二郎が二人っきりでいちにいが帰ってくるまで留守番するお話読んでみたいです…!! (2018年11月25日 23時) (レス) id: 3b52443fef (このIDを非表示/違反報告)
麦子(プロフ) - 錐さん» ありがとうございます。とても嬉しいです。 (2018年11月23日 23時) (レス) id: 7a9f7e3baa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:麦子 | 作成日時:2018年9月22日 11時