・ ページ8
・
「…ねーえー」
『………』
「如何してそんなに頑なに私の所へ来ないの?」
破茶滅茶に騒がしい夕食が終わった後。
リビングの無駄に大きいソファには、中也、A、太宰の順番で座っていた。
真ん中に座るAは中也にぴったりとくつっついている。
『…こっちがいいだけです』
と云うAに、中也はニタァ、と勝ち誇ったような笑みを浮かべる。
「残念だったなァ青鯖。ずっと前から此奴は俺のもんだ」
「…今それ云うと君こそアウトなんだけど」
「あ?見た目が違くてもAはAだろ」
「君って本当に昔からむかつく程男前だよね……」
褒めてるのか貶してるのか判らないやりとりをする太宰と中也。
そんな二人を諦めの目で見ていたAが、ふと思い付いたように口を開いた。
『…むかしのはなし、ききたいです』
「「え?」」
見事に声をハモらせた中也と太宰は同時に幼女を見た。
「それって…桃太郎とか浦島太郎とか?」
「残念だが子供向けの本はねぇぞ」
直ぐに二人は児童向けの本を思い浮かべる。
しかし、Aはふるふると可愛らしく頭を振った。
『……じゃなくて、ちゅうやさんとだざいさんの』
…考えてみれば、この二人の昔の話を聞いた事が無かった。
元相棒という事は知っているけど、逆に云えば知っているのはそれだけだ。
二人がポートマフィアでどんな風に活躍していたのか、Aは知らない。
「は……俺と糞鯖の?」
「一寸やめてよ、嫌な事思い出させないで」
あまり良い顔をしない二人に、Aは目を潤ませて二人を見上げる。
『だめ…?』
「ッ……」
「ううん!全然!!」
…美少女とは恐ろしいものである。
破壊力満点の「涙目+上目遣い」は見事に二人の心臓をぶち抜いた。
中也は顔を押さえ天を仰ぎ、太宰は溢れそうな鼻血を押さえて首をぶんぶんと縦に振る。
側から見たら一発アウトの光景だが、Aには自覚が無いのだから更に恐ろしい。
「それじゃあ、少しだけ昔の話をしようか」
そんな訳で、黒社会史上最悪の
そして後日、例の異能者を見つけ出したAの渾身の頭突きが炸裂した事は云うまでもない。
・
______________
終わり方雑でごめんなさい…
124人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
林檎@諸事情につき低浮上(プロフ) - うひゃぁあ更新有難うございます待ってました!!!いつ見ても面白いです!!これからも応援してます − !! (2019年4月30日 0時) (レス) id: 4706140a44 (このIDを非表示/違反報告)
ふらん - 続きがとても気になります! (2018年8月20日 14時) (レス) id: dbdc3a2a0b (このIDを非表示/違反報告)
麦子(プロフ) - ザクロさん» 主人公が除霊(物理)したので大丈夫です!!(笑) (2018年7月16日 2時) (レス) id: 564537986a (このIDを非表示/違反報告)
麦子(プロフ) - ザクロさん» ありがとうございます!^^ (2018年7月16日 2時) (レス) id: 564537986a (このIDを非表示/違反報告)
ザクロ(プロフ) - 敦君。逃げて! (2018年7月10日 23時) (レス) id: cf0e41908a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:麦子 | 作成日時:2018年6月16日 21時