JKとちびっこマフィア【番外編】

Black and Black ページ9

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「Aさんって、本当凄いですよね……」

『え？』





調査へと向かう途中、敦が口にした言葉にAは首を傾げた。





「いや…初めより随分強くなったな、って」

『あー…まあね。国木田さんに武術を教えてもらうようになってから、だいぶ護身はできるようになったと思うよ』





そう得意げに構えてみせるA。


この職業柄、荒事は日常茶飯事だ。

それに加えAの場合、この容姿のために厄介な者に付き纏われる事も多い。

そういう場合は構わず投げて良いと社長から云われている。





「この前なんて太宰さん投げてましたもんね…」

『あれは仕事しないあの人が悪い』





真顔できっぱり云い切るA。

太宰が細身とは云え、成人男性を投げられるだけの実力は既に兼ね備えていた。


社長の福沢から「才能がある」と評されているAは、いずれ社内でも指折りの武術の達人になるだろう。






『だから今日も一本投げて終わりかな！』





そう意気込むAは知らなかった。


今日の依頼は一筋縄ではいかない案件であるという事を…




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