JKとちびっこマフィア【番外編】 (ページ7)

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「そもそも本当に異能が暴走するのか」

という敦の疑問に答えてAが異能を発動した所、見事に探偵社の窓硝子を破壊した。

そんな訳でこれは太宰がついていた方が良いとなったのだが…

「いや太宰だけは危険だ」

「ですね」

「絶対反対」

「…そろそろ泣いて良いかな」

社員達の猛反対により、太宰ともう一人つける事になった。

あーでもないこーでもないと社員達が騒ぐ中、自ら名乗り出た者が居た。

「いやここは俺がやる」

毅然とした口調で云い切ったのは、云うまでもなく中也だった。

────とまあそういう事で、この三人で今日一晩を過ごす事になったのだった。

「じゃあ俺は飯作るからお前ら風呂入って来い」

「え、一緒に入って良いの？」

「良い訳ねぇだろ！！！順番だわ馬鹿野郎！！」

ぎゃんぎゃんと二人が云い合っている間に、Aは静かに一人風呂場へと入った。

『……はあ…これがひとばんつづくのか…』

あの二人の仲の悪さは知っていたが、そこまで苦になった事は無かった。

しかしこれがあと何時間も続くのかと思うと頭痛がしてくる。

『(取り敢えず、あの異能者絶対ぶん殴る)』

幼女の藍色の瞳に殺意が篭った瞬間だった。

一方その頃リビングでは、

太宰と中也が先程とは打って変わって何やら真面目な顔で話をしていた。

「で？今回の件はポートマフィアも動いているのだろう？」

「まぁな。捕まるのも時間の問題だろうな」

中也が腕を組み目を伏せる。

…ポートマフィアの情報網は広く深い。

何処に隠れようと、逃げようと、必ず見つかる。

「組織内にも被害者が出てるからな。重要な戦力が欠けてこっちは大迷惑だ」

「…へえ。因みに誰？広津さんとか？」

黒蜥蜴の百人長である、組織内でも古株のうちに入る広津が幼児化する様子を思い浮かべる太宰。

「……其方の方が未だ良かったかもな」

自分の見た光景を思い出して、中也は思わず眉間に皺を寄せた。

「………芥川だよ」

「………………えっ」

地獄はここ以外にもあった。

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