JKとちびっこマフィア【番外編】

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事の発端は、少し前に遡る────








『敦くん！其方行った！！』

「はい！」





敦とAの十八歳コンビは依頼を受け、横浜の街を駆け回っていた。

その依頼の内容は、正体不明の異能を持つ輩を捕まえ軍警へ引き渡すというもの。





「もう逃げられないぞ！」

『さあ、大人しく捕まりなさい』





男を袋小路へ追い詰め、逃げ道には敦とAが立ちはだかる。

鼠色のフードを目深に被った彼の表情は判らない。

抵抗する様子を見せないので、二人は捕縛するべくじりじりと近づいて行く。


Aが男の腕を掴んだその時。


ニヤッと、フードの下の口がつり上がった。





『！』





咄嗟に手を離したAだったが、逆に男がAの腕を掴んだ。

そして次の瞬間、Aの体は光に包まれた。





「Aさん！！！」





これはまずい、と何かを察知した敦が手を伸ばす。

しかしそれも届かず、空を切るだけだった。





「え………」





光が消えた跡には、Aの姿は跡形もなく消えていた。









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『………ん、？』





甘い匂いと土の匂いに目を開けば、Aは袋小路ではなく何処かの花畑に倒れていた。

目の前に広がる光景に呆然としていると、ガサガサという足音がして振り返る。





「！……君…こんな処で如何したの？」





そして其処に居たのが、太宰と中也であった。


そんな訳で、始めへ戻る。




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