最後のひとかけらを君に2 (ページ21)

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A side

崇裕は泣きじゃくる私をずっと抱きしめてくれた。

一生懸命、「大丈夫」を繰り返してくれた。

だけどその言葉は、悲しいことに私の耳を通過するだけだった。
……何も心には響かなくて。

私、、、最後は自分のことも分からなくなって、なにも出来なくなって、、一体どうなっちゃうの？

どうしたら治るの？なんでこんなことになったの？何がいけなかった？

神様、何でもするから。どうか私を普通に戻して。
特別なことはなにも望まないから。仕事も欲張らないでもっとゆっくりにする。崇裕とのことだって多くは望まないから。ただこうやって2人で暮らしていければそれだけでいいから。

　

………違う。

身を引かなきゃ。もう一緒には居られないよ。

崇裕に迷惑かけられない。今までだって散々迷惑や心配かけて。
仕事忙しいのに床で寝させちゃった日もあった、今日なんてきっと無理言ってオフにしてもらったんだ。

彼の仕事柄、彼の都合だけで動くことはたくさんの人に迷惑がかかってしまうのに、、、
それだけ無理させてしまってるんだ。

優しい崇裕に、迷惑はかけられない、、、。

　

　

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