【銀魂】嫁がいるなんて聞いてない。弍【坂田銀時】

@. ページ30

A「吉原に……通ってたのは、なんでっ…？」



顔を真っ赤にして、ポロポロと涙をこぼす姿に、
胸が痛くなる。


よしよしと撫でてやると、不機嫌ではあるのに
それを受け入れる姿が可愛くて…仕方ない。



銀時『依頼だったんだよ。前に世話してやったガキがいてな。かーちゃん、夜も忙しいから自分も飯作ってやりてぇって。だから教えに通ってたんだ。
ほら…お前も知ってる通り、遊女なんてモンがまともに教えられるわけねぇだろ？
だから、月詠…百華の頭領に頼まれたんだ。』


A「……日輪の息子？」


銀時『さすが。晴太のこと知ってたか。
日輪に内緒で特訓するってんで、夜に行くしかなくてよぉ。さすがに夜の花街に新八と神楽連れて行くわけにもいかねぇしな。』


A「じゃあ…昨日、酒飲みに行ったのは…日輪が？」


銀時『そう。結局俺に世話んなったってことがバレて、日輪から礼するって、タダ酒貰いに行った…んだけど…Aちゃん？』



今、大人しく俺の膝の上に座り目の前にいる俺の嫁は、
涙を流したまま、今度は両頬を膨らませ、嫌そうな顔をする。


えっ……なんでそんな可愛いことになってるの…？

普段絶対こんなことしないじゃん！！

今日は感情豊かな日なの！？酒のせい？！
俺、何か試されてる？？？



銀時『えっと…どうしてそんな可愛い顔してるの？』


A「いやだ。」


銀時『へっ？？』


A「いやだ。全部嫌だ。吉原禁止。いくら日輪でもダメ！」



あれ？これ……もしかして、、、

ヤキモチ、、、？？


Aって……嫉妬することあるの、、、？？

えっ！？だっていつも、俺ばっかり好きで…
こいつほっとくと、ホイホイ男寄ってくるから牽制して、俺の嫁だって言いまくって……



えぇ……やべぇー………
すげー嬉しいんだけど…



A「私、怒ってるのに。ニヤニヤすんなっ！」


少しだけ涙を溜めたその不機嫌な顔で
俺の両頬をつねるA。


銀時『もぉ！なんで今日そんな…いっだ！いだい！怒ってないって言ってただろぉ！
わかった！吉原禁止なっ！約束するっ！！
もし行く時は一緒に来てくれ。なっ！？日輪と仲良いだろ！？』


A「ん。」


手を離してうなずくAは小さい子供みたいで、

おいで。と手を広げると大人しくすっぽり俺の腕の中に収まってくる。


しゃくりあげる背中をトントンと叩いてやると
ぎゅっと俺の服を掴んできた。


はぁぁ…ほんと、なんでこいつこんなに可愛いんだ。

終わり ログインすれば
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