【銀魂】嫁がいるなんて聞いてない。弍【坂田銀時】

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それからAは、何度か咳がひどくて起たりしてたけど
昨晩よりはだいぶいいのか、今はようやく、ぐっすり眠っている。


熱を測れば40度近い数字から一向に下がらない。
飯も食えねぇ、体質のせいで薬も効かねぇ。
咳は出るわ、呼吸は浅いわで………


ほんと、見てるこっちがしんどい。



銀時『あの体質…なんとかならんかねぇ。』


と独り言を呟きながら、残ったお粥を晩飯に食っていた時


A「ぎ…とき？ぎんとき…っふぇ、ぎんっ…」


銀時『おー？どうしたー？って本当にどうしたぁ？！』


フラフラと起きてきたAはボロボロと大粒の涙を流していた。


A「泥棒が……わたし、ゆかた、、、盗られたぁあゲホゲホッ」


銀時『泥棒？浴衣がどうしたの！？』


思わず立ち上がり、Aを抱きしめて、涙を拭いてやる。


A「たいせつな、やつ…みせっ…ようとおも…ﾋｯｸての、に…ﾋｯｸ」


銀時『うんうん。』


A「で、も。ぎん、とき、がぁ…飯食って…から追わなくていいって…うぇゲホゲホッ…」


なるほど…

身体あっちーもんな。
熱のせいで夢と現実わかんなくなってんのか。


銀時『俺のせいで泥棒逃しちゃったのかぁ。よしよし。ごめんな？』


背中をさすっていると、まだ寝ぼけてはいるが、次第に落ち着いてくるA。



A「ゔん…」


銀時『浴衣はまた新しいの買おうな？』


A「あ、れじゃな、やだぁ…」


銀時『同じの探そう。あるかなー。もっと似合うのあるかもな？』


A「ゔん。」


銀時『だから今はこれで我慢してて？』


A「ゔん…する……」


俺の着流しを肩にかけてやると、ぎゅっと長すぎる袖を握りしめる。

か、かわ……


A「ぎんとき…」


銀時『はいはい？』


A「……ぎんとき？」


銀時『おう。ここにいるぞ。』


そのまま抱きあげて、布団に一緒に入る。


今日はこのまま寝ちまうか。

すぅ…と穏やかな寝息を立てるAをしばらく眺めていたが、俺もそのまま目を閉じた。


.
.
.


後日…


A「ねぇ…熱出した時、寝ぼけて変なこと言ってたりしなかった？私昔からそれあるらしいんだけど…」


銀時『いや。なんもなかったけど。咳が酷かったくらい。』


A「ほんと…？
そういえば、あの時、変な夢見たんだ。
銀時の着流しを焚き火で燃やして、焼き芋作る夢。」


銀時『あぁ。寝言くらいはいってたかも。(暑かったんだなぁ(笑))』

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