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『お前歳の割にちっちぇなぁ!!いっぱい食え!』
『嬉しいとか、楽しいと思った時は笑うんだぞ?
ほら、口角あげてみろ!!って!!いっだ!殴んな!!
口角上げてやっただけだろうが。』
『似合うじゃねぇか!可愛い子にはやっぱり着物が似合うなぁ。お前は美人になるぞー。』
『お前は…またそんなところで寝てぇ。ほらこっちこい。』
普通の人が送る普通の生活。
それはあの頃の私にとっては何もかもが知らないことばかりで、今思うと毎日がキラキラと輝いていたんだと思う。
だからこそ今でも後悔する…
あの日差し伸べられた手を
取らなければよかったと…
.
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「ただい……あ…きら……兄さん!!!???」
いつものように家に帰ったら、
いつものようにおかえりと言われると思っていた。
「しっかりしろ!!!!!」
いつものように、同じ毎日がやってくると
そう思っていた。
『無事、だった……かぁ。よかった、、、』
「何があったんだ!!!!病院っ!!今連れてってやる!」
『そんなの…いい、から。早く…逃げろ、、、』
家の中がめちゃくちゃになっていた、あの…幸せが壊された瞬間が
大切な人が、消えかけの命で私の帰りを待っていた、あの恐怖が
『もう、、いぃ……ごめんなぁ…』
そう言って笑った顔を目にした時の絶望が……
今でも私の中に焼き付いて離れない。
10年だぞ…10年も2人で上手くやってきたのに……
『桜……お前は、、、生きろ……幸せになれ…』
最後の力を振り絞って抱きしめられた
腕の感触…声、あの人の香り……
全て、鮮明に思い出せる。
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.
.
20年…組織の目を騙してきた兄さんが殺.されたのは私のせいだった。
あいつらの目的は私だったんだ……
でも、なぜ…10年も何もしてこなかったやつらが
今になって手を出してきたのか。
なぜ、あの場所を知っていたのか…
私だって10年間、あの中で育ったからわかる。
1人の捨て駒に執着するわけがない。
私を追っていたのは、その存在を世に知られないためだ。
それなら一体誰がなんのために…
あいつらを唆したのか。
隠の一族が全滅している今、誰かの口からその真意を聞くことはできない。
だから、私はそれを知るために、情報屋を始めた。
わざと目立ってやってるんだ…
早く私を見つけてくれ。
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むぎむぎ(プロフ) - いちご丸さん» 前作も読んでいただきありがとうございます!!よければこっちも楽しんでいただけると嬉しいです(*´-`) (9月20日 19時) (レス) id: 0ab5c4428c (このIDを非表示/違反報告)
いちご丸 - 実況者さんの小説から来ました!頑張ってください! (9月20日 17時) (レス) id: 7e45dba670 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:むぎむぎ | 作成日時:2023年9月14日 17時