@. ページ13
俺が朝飯を食い終わり、
Aが風呂を沸かしてくれたと言うので、お言葉に甘えて頭を洗ってもらう。
自分でもできるのに。
なんて思ったが、想像以上に身体は痛めつけられていたようで、正直助かった。
身体を拭いて、包帯も変えて…と甲斐甲斐しく世話を焼いてくれるA。
久しぶりにさっぱりした……
まじで頭があがんねぇなぁ。
なんて思いながらボケーっと座っていると、
どこかへ出かける様子のAに声をかけられた。
A「普段、日中私はここにいないんだ。夕方には戻る。好きに過ごしててもらって構わないから。
何か困り事があったら、下にお登勢…昨日のばぁさんがいる。頼るといい。」
銀時『仕事か？』
A「まぁ、そんなところだ。」
銀時『何してるんだ？』
A「………宇宙船の船長。」
ニヒルな笑みを浮かべ、じゃあね。と家を出て行った。
宇宙船の船長……なんて見え透いた嘘も言うんだあいつ。
一瞬どっかのバカな詐欺師が頭をよぎっちまった。
銀時『仕事…かぁ…』
さて、もう一眠りしよう。
.
.
.
少しだけ寝るつもりが、次に目を覚ましたのはもうすっかり夜になっている頃だった。
【お登勢の店にいる。お腹空いていたら降りておいで。】
テーブルの上に随分と癖字な置き手紙と、黒地に袖が赤い立派な袢纏が置いてあった。
まじであいつ何者なんだ…？
隙もなければ非の打ち所もない。
ぐうぅぅう…と腹の虫が鳴る。
寝てただけなのに、なんで腹減ってんだ俺。
銀時『店…行ってみるか……』
.
.
.
【スナックお登勢】と書かれた看板の店の扉を
ガラガラ…と静かに開けると
中はガヤガヤと飲み屋の空気が広がっていた。
お登勢『おや。銀時と言ったね。いらっしゃい。
随分と顔色が良くなってるじゃないか。』
銀時『おかげさんで…』
お登勢『飯だろ。そこで待ってな。Aー！』
俺は言われた通り、カウンターの端っこに座って
家での様子とは180°違う、綺麗な女物の着物に身を包んで、客に酌をしているAを目で追う。
A「銀時。おはよう。よく寝てたな。」
俺に気づいて近寄ってくるAはいつものAで、不思議と安堵する自分がいる。
銀時『ちと寝過ぎた。』
A「いいね。それ似合ってるじゃない。夕飯、親子丼なんだが…食べるか？」
銀時『食う。』
A「今持ってくる。待ってな。」
お登勢｟随分とAに懐いたもんだねぇ。｠
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 302人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
むぎむぎ(プロフ) - いちご丸さん» 前作も読んでいただきありがとうございます！！よければこっちも楽しんでいただけると嬉しいです(*´-`) (9月20日 19時) (
レス) id: 0ab5c4428c (このIDを非表示/違反報告)
いちご丸 - 実況者さんの小説から来ました！頑張ってください！ (9月20日 17時) (レス) id: 7e45dba670 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：むぎむぎ | 作成日時：2023年9月14日 17時
