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単刀直入に言おう。
ディアブロの死後、約2日が過ぎた昨日、組織はいとも簡単に壊滅した。
何故どうしてそこまでに至れたのか、降谷自身わかっておらず、何度も上司に掛け合ってはいた。が、何一つとして情報を吐き出さなかったのだ。
不完全燃焼のまま友人と向かった先にあったのは、ディアブロの家だった。家と言ってもスコッチを公安に引き渡してから使用されていなかったらしく、やけに埃っぽい。
カーテン、窓を開けると一気に外の風が吹き込んだ。
「ここに住んでいたのか」
「……ああ」
一人は懐かしむように、一人は探るように。
部屋中を歩き回っていると、とある部屋の前に辿り着いた。隣に立つ男は、そこはディアブロの部屋だと言う。
降谷は軽く深呼吸をし、ドアノブに手をかけた。
「……何も、ないな。」
「ああ……リビングと同じだ。俺も何度か調べさせてはもらったが、本当に何もなかった。
この家は寝泊まりするためだけに買ったものなんだろうな」
デスクと椅子、それから窓。そして、空の本棚。ここにも何もなかったのかと立ち去ろうとしたその時、降谷は机の上に置かれた小さな、四角形の何かを見つけた。
これは…と隣にいた男に見せると、男は何か思い出したかのように目を開かせた。
「ディアブロのUSBだ…!」
前に見たことがある。そう言い、持参していたパソコンを取り出すと迷わずそれを差し込んだ。
何かウイルスでも仕掛けられていれば一瞬で終わりだというのに。それだけ、彼女は信頼されていたのだろうか。
「………なんだ、これ…日記か…?」
幾つものデータが、びっしりと。
一日置きに並べられたそれらから、一番遠い日付けのデータを選択すると、そこには白い画面に文字がぱらぱらと並べられていた。
_____私はただ、自由になりたかった。
それは孤独な彼女が初めて形にした、願いそのものだった
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おむ(プロフ) - (名前)りんくらさん» お返事が遅くなってしまい申し訳ありません。続きが気になっていただけてとても嬉しいのですが、実は調節中でして……。調節が終わり次第公開する予定ですので、それまでお待ちいただけたら嬉しいです。これからもよろしくお願いします!(^ ^) (2019年3月25日 11時) (レス) id: 0478855421 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)りんくら(プロフ) - 凄くおもしろくて続きが気になります~!続編のパスワードを教えて頂けませんでしょうか??(;;) (2019年3月9日 19時) (レス) id: df2c55daee (このIDを非表示/違反報告)
red cherry(プロフ) - はい!楽しみにしてますね、頑張って下さい^ ^ (2018年8月15日 1時) (レス) id: 99383d6c30 (このIDを非表示/違反報告)
おむ(プロフ) - red cherryさん» ツイッターでもフォローしてくださった方ですよね!ありがとうございます(^^) ゆっくり過ぎる更新速度ですが、これからも宜しくお願い致します。本当にありがとうございます! (2018年8月14日 22時) (レス) id: dccc051f5c (このIDを非表示/違反報告)
red cherry(プロフ) - 凄くおもしろいです!更新が楽しみです^ ^ (2018年8月14日 22時) (レス) id: 99383d6c30 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おむ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=mucho
作成日時:2018年4月22日 22時