2.初恋チョコレート【奈良坂透】

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「________え?」






「俺がいつ、お前を嫌いだと言った？
別れたいと言った?」







「……そ、れは…」








「俺は、お前が好きだ。



愛してる。






一生、大切にしていきたいと思ってる。

お前は、違うのか?」








奈良坂さんは本気だった。


それどころか、少し怒ってる。





そんな目で、真っ直ぐ私を見ている。







その目に、私は惹かれている。









「………後悔します。絶対、後悔しますよ。」







「俺は、お前といれるだけで十分幸せなんだ。

後悔なんて絶対しない。」







「私、お兄ちゃんか奈良坂さんなら、お兄ちゃん助けちゃう様なやつなんですよ…？」







「家族を大切にして何が悪い。


それに、お前は俺が死んだら泣くだろうから、

俺はお前に泣かれるのは好きじゃないから、
どこにいてもお前の元に戻ってくるぞ。」








何を言っても返してくる奈良坂さんに、可笑しくて少しだけ笑ってしまう。









「本当に、本当に私なんかでいいんですか…?」






「お前がいいんだ。」







私も私なのだが、奈良坂さんも奈良坂さんだと、私は耐えられなくて目を反らし、手の甲を口元に当てる。


ああ、頬が熱い。









「返品不可ですからね、」







「…誰が返すか。」







小さく笑ったと思えば、一瞬にして真面目な顔つきに変わる。



かっこいい、と見惚れてしまう。


すると口元に当てていた手を退けられ、口づけをされた。







恥ずかしくて、懐かしくて、温かくて





優しい。









「私も、大好きです。奈良坂さん。」







「ああ。」





________知ってる。









fin.

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