2.初恋チョコレート【奈良坂透】

お義母さんと、呼ばせてください ページ14

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「お、お母さん、ちょっと」





お兄ちゃんは部屋、お父さんはお風呂



何とも言えない、絶好のタイミング。







イケメンになると運まで味方なのか、と私は睨む。






「夜分遅くにすみません。


Aさんとお付き合いさせていただいてます、奈良坂です。
以前、何度かお邪魔したことがあるんですが…」




「お、おぼえてる？お母さん、」




「えっ、ええ。
そう………あのかっこいい子がAの…」






口元に手を当てて目をパチクリさせるお母さん。
我が母ながら可愛らしい。
ええ、自慢の母です。





「今日は遅くなってすみません。
それと、これからも遅くなるときはきちんと家まで俺が送ります。」





「そうね、とても心配したわ。
今日は任務もないって言ってたし、
練習に夢中で気づいたら夜中で、基地に泊まる事も多かったもの。


そのときはあなたが止めてくれるのよね、とても頼りになるわ」






そう言って笑った母。


心配をかけていたことに、私は少し胸を痛めた。








「な、奈良坂さん、もう遅いですし…」




「ああ、そうだな。

……おやすみなさい。」




「ええ、気をつけてね
この子を送ってくれてありがとう」




「いえ。」




「奈良坂さん…！
あの、おやすみなさい！」





ふわりと笑った奈良坂さんは、何かを思いついたようで
キリッとした顔で私のお母さんを見た。





「……………最後に１ついいですか。」




「ええ？」





「お義母さんと、呼ばせてください」





「奈良坂さんッ！！！！」






やっぱりこの人は、




時々何を考えてるのかわからない。








「喜んで。」



「お母さんもヤメテ！」





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