好きな子ほど意地悪したくなる神威の話 (ページ6)

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Aが来てから2ヶ月が経った。

Aは仕事ができて真面目で律儀で、言葉は鋭いが根はとても優しい。

女が出稼ぎに出るなんて非常識だと言われながらもここに来たのも、病を患っている祖母の治療費を稼ぐためらしい。

肌身離さずつけている首飾りも、祖母から貰った命より大切なものとか言ってた。

それにちゃんと見てみりゃごく普通の…

「…何？そんなに見られてるとやりづらいんだけど」

「いやぁ、ブスだなと思って」

ごく普通の可愛すぎる女だ。

綺麗か可愛いかで言えば断然綺麗だが、仕草や反応が可愛い。
怒ってる顔とか特に。

だからついつい揶揄ってしまう。

まあ一番可愛いのは笑顔なんだけど、Aが笑うのは婆さんからの手紙が届いた時だけだし。

「A、手紙来てるよ」

「えっ」

「はいどうぞ」

「あ、ありがとうっ…」

嬉しさで頬が緩むのを隠しきれていないのが堪らなく可愛い。

あ～可愛い…

…あり？
そうか俺、コイツのことが好きなのか。

その気持ちを自覚するまでにそう時間はかからなかった。

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