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家へ戻り後はもう寝るだけの状態といった所で
今日青木から渡された本を手にとる
本を読むのは好きだし
なんなら世界的大流行の病が流行って
外出制限が出されてた間なんて
1日の大半を読書で過ごしていた
ベットボードに背中を預け
本のページを捲っていくと
まるで俺と彼女の話？と言いたくなるくらい
世界観がリンクしてて自然と目から涙がこぼれていた
俺と彼女が出会ったのは
今の事務所に入所する前に入っていたダンススクールで
Aさんは周りと比べ物にならないほどダンスが上手くて
みんなと一緒で俺も彼女を憧れの目で見ていた
そんなある日Aさんが
一緒に踊れる子を探しているらしいというのを聞きつけて
後先考えず彼女に声をかけた日を今でも覚えている
俺の勇気と努力が実を結び
無事に彼女と大会に出られたんだけど
その大会で1位を取ったのを最後に
Aさんは俺らの前から忽然と姿を消したのだ
6つ上の彼女は将来を期待されていたけれど
海外に行ったんじゃないか
芸能界デビューしたんじゃないか
大学進学したんじゃないか
と誰も消息が分からない状態で
時が経ちいつしか誰も
彼女の名前を口にしなくなったのだ
俺もちょうどその頃今の事務所に入って
しばらく彼女のことを忘れていたんだけど
周りの人と衝突して
なにもかもが上手くいかないことに嫌気がさして
あてもなく街を歩いていた時のことだ
「織山くん？」
数年ぶりに彼女と再会したのだ
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作者名：Soda | 作成日時：2022年10月25日 19時
