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追いかけっこの鬼は別のところに ページ18

身ぐるみ全部剥がし終えた沖田が、手を払いながらゆっくりと立ち上がる。
まるでひと仕事終えたと言わんばかりだが、こいつがやったのはただただ変態を生成しただけ。
あらぬところが丸見えな男を哀れみの目で見下ろす。

こいつアソコも粗末なのかよ。キモ。

「んで。これからどうするんでィ」
「別に? お金もらったし、仕事に戻ろうかと思って」
「ヘェ。随分と仕事熱心なこった」
「フツーでしょ」

男の私物を帯紐に差し込み、ぐっと伸びをする。とりあえずこれでやることは終わった。
(月詠姉に褒められちゃうかも)

「それじゃあ」と沖田さんに一礼し、屋根へと一気に飛び上がる。
瓦を踏んで走り出し――私は振り向いた。

「なんで付いてくるの!?」
「気分でィ」
「気分で追いかけられても困るんだけど」

飄々と。まるで散歩でもするかのようについてくる彼に、ため息が零れる。
ていうかこれでも百華のエースやってるんだけど。

「てめェ、よくそんな靴で走れるよなァ。追いかけるのに精いっぱいでさァ」
「息切れ一つしてない人に言われたくないんだけど!?」
「俺ァ鍛えてるからねィ」

なんてことないと言いたげに告げる沖田に、カチンとくる。
(まるで私は鍛えが足りないみたいな言い分じゃん!)
いくらイケメンだからって、言っていい事と悪い事がある。私は腕を大きく振り払い、クナイを投げ飛ばした。
カンカンッと小気味いい音が響き、瓦に突き刺さる。

「おっと」
「チッ!」
「何すんでィ。あぶねーじゃねーか」
「そのまま突き刺さっておっちんじゃえばよかったのに」
「ひでぇや」

くくくっ、と笑う沖田。やはりイケメンな表情に、どきりと心臓が鳴る。
しかし、その瞳はまるで『そんなモン当たるわけねぇだろ』とでも言いたげで。
(は、腹立つ〜〜〜っ、!!)

「ついてくんな! ばーかばーか!」
「バカっつったほうが馬鹿なんでィ」
「ハアっ!?」

(何その小学生みたいな返し!)
っていうか、人のことバカって言ったらダメだって、教わらなかったの!?

「もういいっ! ばか沖田!サド!ドSっ!」
「褒め言葉じゃねぇか」
「頭だけは本当に可哀想!」

顔は一級品なのに。顔だけは。

――ジ、ジジ……。

「おい、なんか鳴ってるぞ」
「え?」

月は見ているってこういうこと?→←優しさなんてふりかけにかけて食ってやる



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羽衣瑠璃(プロフ) - おもしろかったです。続き、楽しみにしてます。 (5月17日 15時) (レス) @page33 id: 3065eb1929 (このIDを非表示/違反報告)
塩豆大福(プロフ) - みもりさん» 初めまして。お返事が遅くなってしまい、すみません…!まさかコメントいただけるとは思っておらず…!こちらこそ、読んでくださりありがとうございます!好みって頂けて凄い嬉しいです^^ これからも更新していくので、ぜひよろしくお願いします!! (2023年3月4日 23時) (レス) id: 6f796f69bc (このIDを非表示/違反報告)
みもり(プロフ) - ヤッバイおもろすぎます.....まだ主人公に靡いてない沖田さんもこれから伸び代ありそう...!とりあえず好きです好みですこれからもって頑張ってくださいいいい!! (2023年2月18日 1時) (レス) @page17 id: 838092b84b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:塩豆大福 | 作成日時:2023年2月7日 0時

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