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お話しましょう、あれやこれやそれとかね ページ13

「……」
「……」

天変地異の前触れを耳にしてから数分。
未だに起きない災害やらなんやらにビクビクするのも飽きてきて、ふと隣を見る。
真っ直ぐ前を見て歩く男の横顔はやはりイケメンで、月夜がさまになっている。

とはいえ、さっきまでの出来事でトキメキなんてものはどっか遠いものになってしまった訳だけども。

そんなことより、今は重大な問題に差し掛かっている。
それはもちろん−−。

「……」
「……」

−−き、気まずい……!!
初対面で、しかも自分からしたら(勝手に)暗殺対象。
そんな奴と呑気に世間話ができる訳もなく。
(べ、別に同世代の男の子と話したことないから何話していいのとか、やっぱりイケメンで直視出来なくて緊張するとか! そんなことは断じてない! 断じて!)

「おい」
「は、はいっ!?」

突如振りかけられた言葉に、咄嗟に足が止まる。
一、二歩先で振り返った彼は、少し訝しげにこちらを見つつも、下を指した。

(した?)
……地面?

「足音、しねェんですけど、アンタまさか何か護身術でも習ってたのかィ」
「えっ?」

足音????

予想の斜め上どころか、後ろからアッパーでも繰り出されたかのような感覚に、目を瞠る。
……足音がしないなんて、言われるまで気が付かなかった。

確かにファミレスでは吉原については話をしたが、自身の所属する『百華』については触れていなかった気がする。

「そ、そういうアンタだってほとんど音しないじゃん」
「癖なんでさァ。足音殺して歩くの」
「キ○アかよ」

危ないからそういうのやめてくれる? 危ないから。いろいろと。

「うっせぇなぁ。別にいいだろィ。つか、話を逸らすんじゃねェや」
「うっ」
「ま、何となく予想はついてやすがね」

「言いたくなきゃ言わんでいい」と言い、再び歩き出す彼。
その背中に、目を見開いた。
(……無理矢理にでも聞かれるかと思った)
まあ、隠してる訳じゃないけど。

でも何となく……何となく、言う気にはなれなくて。
俯きつつ、彼の後ろをついて行く。
開くことが無い距離は、見て見ぬふりだ。

「……別に。ちょっとだけ護身術が得意なだけ」
「ふぅん。ちょっと、ねィ」
「何よ」
「いや。その割には『暗殺してやる!』って息巻いてたじゃねェか」
「う、うるさいっ! 頑張ったら人間なんだってできるんだから!」
「ハイハイ」

ひらりと手を上げる奴の声に、ほっと息を吐く。
彼の無関心さが、この時は何よりも嬉しかった。

二度あることは三度あるって言うけど、あれマジらしいよ→←本当は顔以外もちょっぴりいい奴…?



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羽衣瑠璃(プロフ) - おもしろかったです。続き、楽しみにしてます。 (5月17日 15時) (レス) @page33 id: 3065eb1929 (このIDを非表示/違反報告)
塩豆大福(プロフ) - みもりさん» 初めまして。お返事が遅くなってしまい、すみません…!まさかコメントいただけるとは思っておらず…!こちらこそ、読んでくださりありがとうございます!好みって頂けて凄い嬉しいです^^ これからも更新していくので、ぜひよろしくお願いします!! (2023年3月4日 23時) (レス) id: 6f796f69bc (このIDを非表示/違反報告)
みもり(プロフ) - ヤッバイおもろすぎます.....まだ主人公に靡いてない沖田さんもこれから伸び代ありそう...!とりあえず好きです好みですこれからもって頑張ってくださいいいい!! (2023年2月18日 1時) (レス) @page17 id: 838092b84b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:塩豆大福 | 作成日時:2023年2月7日 0時

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