ハリネズミとイタチ2 ページ7
-
蓮「Aちゃんほんとにオレンジだけでいいんですか?あげますよ、ぼくのあさごはん」
「いやいいよ、朝はそんな要らんねん。ってこれさっきから4回くらい言うてんねんけどわたしの話聞いてる?」
蓮「だってぇ、朝はちゃんとたべなきゃだめですから」
「うん、でも要らんねん。ごめんな。……」
田「……ねえ、さっきから誰か探してるの?」
「ん?あー……うん、ちょっと人をね……」
田「人?」
……いない。この部屋にいる気配もないし、さっきから入口の方をずっと見てるが、入ってきた様子もない。
練習はもう、あと40分後くらいで始まる。
「んー……って蓮汰、だからいらんって。しかもおにぎり1個はほんまにいらん。自分で食べて」
蓮「あぁぁあ……」
「……、」
……死んでる?いやいやまさか。……寝込んでる、とか?……うーん。
「……うん、ごめん、ちょっと用事思い出したからやっぱり行ってくる」
田「えっ、ちょ、どこに、」
「ハリネズミくんとこ」
田「……はりねずみ?」
蓮「え〜Aちゃんほんとにおにぎり食べないんですかあ」
「あーもう、食べない!自分で食べ、まだまだ成長期やろ!たじくんもまた後で!」
西「Aちゃんどっか行っちゃったの?なに、忘れもん?」
田「いや、なんかはりねずみくん?のところ行くらしい」
西「はりねずみくん?……ペット?」
蓮「えっ、Aちゃんペット飼ってるんですか?」
田西「「いや飼ってないでしょ」」
クシュッ、と一度、二度、三度くしゃみが出る。
なになに、これは誰か噂してるな?
「うおっ、……あ、」
大悟「あ、……大神さん、」
「……えっと、」
「あ、どうぞ、お先に」
「……小林くん、」
大「えっ、あ、はい」
「……もしかして、小林くんも小池くんのこと探してた?」
たぶん、そうだろう。
だってさっきぐるりと部屋を見渡した時、小林くんは一人でいて、でもわたしと同じようにしきりに入口のドアを見つめていた気がしたから。
「そうなんやったら一緒にホテルまで行こう」
大「っえ」
「?違う?……だってそれに、DU……quintetってチームで小池くんと一緒やったよね」
大「……はい」
「……うん」
……チーン。会話が終わってしまった。
なぜなら小林くんが急にシューンと小さくなっていってしまったからだ。
柾「俊司のこと探しに行くなら俺も行くよ」
200人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:魚屋 | 作成日時:2021年2月16日 23時