検索窓
今日:9 hit、昨日:33 hit、合計:99,299 hit

すれ違ってからが本番だから2 ページ42

-






「……え、待って。今何時?」

海帆「……あ、やば。もう練習始まってるわ」

「え!?呑気か!うわ〜やばいやばい、」

帆「あ、Aわすれもん!」

「おお、ありがと。んじゃまた明日!今日もお疲れ様でした!」

帆「はいよ〜」

「って海くんもはよ行きや!」

帆「Aも急ぎすぎてコケへんようにな〜」




バタバタと、いつもなら少しだけ早めに切り上げて無限大2組のところまで戻るのにそれもできないまま、汗でベタベタの状態で走る。

わたしも人のこと言われへんけど海くんも抜けてるんよな……忘れてた。

海くん、あんなイケイケ湘南ボーイ(湘南ではないです同郷です)って感じやのに中身はほわほわしてるもんなあ。今度からピコピコタイマーでも持っていこうか。





「っわ!!……柊くん、」

柊「っ、……Aちゃんか……、また練習してたんですか」

「え、あー……え、てかどっか行くん?練習始まるやろ。っていうか始まってる?」

柊「……や、ちょっと、忘れ物して」

「……そう。じゃあ、待ってるわな。行ってらっしゃい」




あー危うくドアにめっちゃやばい勢いで頭をぶつけるところだった。あぶない。しかも今のでさらに冷や汗かいてしまった。

タオルタオル……と、急いで首にかけてきたタオルでとりあえず汗だけでも拭っておこう、ととりあえず冷静になってみると。





「……っておいおい、海くん……」



いや中野海帆くんよ、帰り際にバッて投げてくれたこれ、アンタのタオルや。私が持ってきた柄と違うししかも使用済の。仮にも確かにあなたの弟子かもしれへんけど乙女なんですが。使用済のタオルは使えない。


……仕方ない。普通に考えたらこんな汗だくのままこの部屋に入るのも乙女的にどうなんかなって思うし、戻ろう。戻って、海くんのところに……

ああでもそうか、そうなったら海くんがおるアイニー組のところに行かなあかんのか。うわそれは嫌や。あ、でも福田くんおるか……。



そうやって1人、ぐるぐる考えながら、でもやっぱりタオルは取り返したいし海くんのことやから気付かず使ってるという場合も……それはあかん!!

と、歩く。




「……柊くん、?」

柊「!……なんで、」

「……いや、……わたしも、忘れもの取りに」

柊「……、」




あれ、なんかデジャヴ、と思ったら俊司もはじめの頃、そういえばそこに座り込んでたんだと即座に思い出す。

……そんなにそこが落ち着くのか?って、そうじゃない。

すれ違ってからが本番だから3→←すれ違ってからが本番だから



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (55 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
200人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:魚屋 | 作成日時:2021年2月16日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。