オウムも寂しがり屋らしいよ2 ページ24
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「……で、なんで蓮汰くんは私の真隣にいるのかな？」
蓮「え？なんかあ、奏ちゃんがゆずってくれました」
「……まあそれはいい。いいんやけど、じゃあソーシャルディスタンスって知ってる？」
蓮「ちょっとバカにしないでくださいよ〜、それくらいは知ってます」
「よし。じゃあ1個開けて座れるよな？」
蓮「えっ、なんでですか？」
「え？」
蓮「？」
「……いや、……そっち空いてるやん」
蓮「え？あいてないですよ〜、荷物おいてるじゃないですか」
「うん、まあ……それはそうなんやけど」
いや、それは蓮汰が急にここに座るって言うからそっちに置いたんだよわたしが。
え、でも待って怖い怖い。
すごい会話が全く成り立たない。え？
だって今の会話の流れで「なんでですか？」にはならんくない？「あっ、そうか。ごめんなさい間違えました」とかならまだわかるけどなんでってなんで？逆にこっちが聞きたい。
そうこうしているうちにスタッフさんによるシートベルト着用のお願いアナウンスが聞こえて、わたしはもう既につけていたが、蓮汰は真隣でなにやらまごまごしている。
……あーもう、5歳か！！！(仕方ないのでやってあげた)
西「あれ？やっぱり蓮ちゃんじゃん。ってか奥にいんのAだよな？」
「そうでーす」
西「はっはっは！仲良いなあほんとお前ら。ニコイチじゃん」
蓮「……ニコイチ」
西「そ。2人で一つってこと。ま、せいぜい仲良くおしゃべりすんだな」
蓮「！！……おしゃべりしたいです」
「えー……」
おいおい西くん。余計なことを言うんじゃないよ。
わたしはこの騒がしい騒がしいバスの中は行きも静かに音楽聞いてたし帰りもそうするって決めてんのに。
「……なに？」
蓮「……ぼく、さみしかったです。Aちゃんとレミフラおどれなかったし、ほんとはもっといろんなこと話したかったのに、Aちゃん全然見つけられなくて」
……うん。
わたしは確かにフレンドリーではないけど、こんなショボーンとあの顔文字みたいになってる人をわざと放っておいてほくそ笑む、みたいな最低人間ではさすがにない。
「……友達は？できた？」
蓮「……あんまり」
「あかんやん。友達作って、その子に聞いてもらえるのが1番いいやろ？」
蓮「……Aちゃんはきいてくれないんですか？」
「んー……まあ別に聞くけど……」
蓮「ぼくはAちゃんがいいです」
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作者名：魚屋 | 作成日時：2021年2月16日 23時
