日プのオオカミちゃん (ページ15)

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フレンドリーじゃない君へページ15

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蓮汰と、西くんと、大悟くんが、Aクラスから落ちることになった。

Aクラスから落ちる、イコール、今回レミフラを一緒のチームではもう、踊れなくなる、ということだ。

頭が、途端に真っ白になる。

あんなに一緒に頑張って練習したのに、なんて言葉はもうその結果の前では飲み込むしかなくて、

蓮汰のすごく悔しそうな、申し訳なさそうな顔が、

西くんの、その結果を潔く認めようとしている切ない顔が、

大悟くんの、感情を隠そうとしてもしきれてない苦しそうな顔が、

見てるこっちも、つよく、辛くさせる。

蓮「たじくん……」

田「……絶対大丈夫だから」

蓮「っ、……ごめんなさい、」

田「謝んないでよ……」

蓮汰は頑張った。
それは、俺がちゃんと、認めてあげたい。

何度か言葉をかけてからお互いぎゅっ、と、抱きしめる力を強くすると、蓮汰が俺の肩越しに「Aちゃん、」と、か細い声を出す。

「……そんな泣かんでも」

Aちゃんは、泣いてなかった。

アントニーも、冬馬くんも、俺も蓮汰もみんな目が赤く涙が今にもこぼれそうなのに、

Aちゃんだけは、それでも幾分かは切なそうに、でもいつもどおり、ふわりと笑っていて。

蓮「……だって、」

「蓮汰はやり切った。それでええやん」

西くんみたいにフレンドリーじゃないから、と、言った時のAちゃんのあのなにも感じ取れない表情がずっと忘れられなくて、

何度も、「あの時ほんとはなんて言おうとしたの」って、聞きたくて。話したくて。

でも、そんなことない。

Aちゃんが、蓮汰とも、俺とも、みんなとも、真っ直ぐ、ただただ純粋に、ストレートに向き合ってくれてることを、俺はちゃんと知ってる。

「だから、また一緒に踊ろう。この先で」

蓮「……おどって、くれますか？」

「当たり前やろ。蓮汰がまだまだ頑張るなら、わたしも頑張るし、もっともっと上に行くから」

蓮「ぜったいですよ。やくそく」

「ん」

蓮「……Aちゃんと、また踊りたいから、がんばる」

「よし」

嘘もお世辞も何も無い、そのまっさらな状態で伝えてくれる言葉がみんな好きなんだよって、後で言おう、Aちゃんに。

KENZO「Aは、引っ張っていく存在だから。……重圧も大きいし、Aっていう看板を自分の心にしっかり刻んで、生きていくことが絶対に大事だから。……頑張って」

もう俺は、Aちゃんにあんな顔を、させたくないから。