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やっぱり、言えなかった。
嫌われるのが怖かった。
でも、きっと私のせいで大変な目にあったんだ。
私が言わなかったから。
ごめんなさい、虎杖君。
貴方が最低じゃないと言ってくれた私は
やっぱり最低なままだった。
悪いのは私なのに、よく分からない涙がポロポロと落ちてくる。
視界が歪んでいつも見えている奴らが救世主の様に見えて。
『もういっそ、このまま私を…。』
その言葉を待っていたかの様に奴等は口を大きく開けて
「危ない!」
急に訪れる浮遊感。
暖かいお日様の香り。
『虎杖君…。』
「間に合って良かった。怪我はない?A」
変わらない笑顔。
私の好きな笑顔。
大好きな虎杖君。
でも、そこに潜む嫌な雰囲気。
彼は、変わってしまった。いや変わらざるを得なかった。
私のせいで。
『虎杖君、虎杖君、いたどり君、ごめんね。ごめんなさい。許さなくて良いよ。私が悪いの。私のせいなの。気づいてたのに、知ってたのに、分かってたのに…!』
こんなにも貴方のことが好きなのに。
「どしたの。俺怒ってないよ?なんかあった?」
何もない、何もないの。
好きだよ、虎杖君。
大好き。
でも、もう私には貴方を好きでいられる資格はない。
だから
『何もないよ大丈夫、虎杖君』
これ以上好きにならないうちに
『私、もう行かなきゃ』
お別れしなきゃ。
『"バイバイ"』
「うん、"またな"」
…虎杖君は最後まで優しいんだね。
さようなら、大好きな人。
きっともう貴方以上に好きな人は現れない。
でもしょうがないの。
見えてしまった私のただの罪滅ぼしなのだから。
どうか虎杖君がこの先の未来で笑っていられます様に。
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作者名:Blue Stella | 作成日時:2020年11月1日 22時