#13 ページ13
▽
あのコントを披露してから､
女性ファンが更に急増｡
よしもとイチの"イケメン女子"として取り上げられることも多くなった｡
｢もうここまできたら､衣装はスーツにするべきやろか？｣
ネクタイでも試しに締めてみよう｡
にーやんにネクタイを借りる｡
借りたはいいものの｡
｢あ…そういえばネクタイ結んだ事ないな｡｣
新｢俺が結びましょうか？｣
すっと背後から手が伸びてきて、
慣れた手付きで私の首にネクタイを結んでくれた｡
｢おぉありがとう｡｣
新｢流石､似合いますね｡｣
｢せやろ｡…衣装どうするか､ちょっと本気で考えよ｡｣
新｢スーツにするなら俺ネクタイ係やりますよ｡｣
｢なんやその係は(笑)｣
多｢イケてんなぁA｡
なぁお前､あれエントリーせぇへん？｣
急に会話に参加してきたトットの多田さん｡
あれ｡と言って指すのは吉本坂46のオーディションのポスター｡
｢え…吉本坂､ですか…｡｣
多｢A､ビジュアルも良いし
歌もうまいやんか？｣
絶対合格するで？と言う多田さん｡
｢いや､でも踊りは全くですよ私｡｣
というか別にビジュアルも歌も普通やし｡
多｢俺も踊れへんけどメンバーなれたで？｣
それは､多田さんはホンマにカッコええし､
歌もうまいからですよ｡
多｢お前入ったら絶対人気出る｡｣
絶対応募せぇ｡とエントリーシートを押し付けられた｡
何度か渋ったが､結局応募してしまった｡
…はぁ｡私は一体どこへ向かっているんやろうか｡
あれよあれよの内に
一次審査､二次審査を通り｡
多｢やったなぁお前｡｣
会って開口一番でそう言われ､渡された紙｡
"おめでとうございます｡A様｡
吉本坂46メンバーオーディション合格です｡"
うそん｡
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作者名：あまから | 作成日時：2021年7月28日 21時
