検索窓
今日:1 hit、昨日:36 hit、合計:89,436 hit

33 ページ33

へらりと笑う銀時を睨み付ける土方。やはりこの男とは気が合わない。この間だって非番の日にAを連れ回しやがって、悪い遊びでも教えようってんじゃねェだろうな...

其処まで思い至ってふと我に返る。俺は何で、Aの私生活にまで首突っ込もうとしてんだ。
真選組において恋愛は御法度ではない。現に妻子持ちの隊士だっている。相手が腐れ天パだからなのか、これが総悟や近藤さんだったら...

いやそもそも、アイツが誰と交際しようが自分には何の影響もないはずなのに、どうして。



「...てめェにゃ関係ねェだろうが」



煙草を靴の裏で踏み消し、鬱陶しい銀髪天パ男を睨み付けて土方は背を向けた。







送信完了の4文字を確認し、私はひとり安堵の息を漏らした。
日の差し込まない薄暗い寝室、ベッドの上。着衣が乱れ肌が露わになっているのを気にも止めず、腰を上げる。



「案外早かったな」



パトカーの後部座席に乗り込むなりご苦労さん、と声を掛けられた。相も変わらず、徹夜明けの充血した両目を細めながら紫煙を燻らせている。
メール送信から10分と経たないうちに山崎さん達が到着し、例の薬屋はあっという間に真選組に包囲された。ターゲットには手錠が掛けられ、寝室で気を失っている。金庫の鍵も手に入れたことだし、違法ドラッグの仕入れ先が判明するのも時間の問題だろう。



「お陰で予定より早く事が片付きそうだ。報酬は弾むぜ」



それから、と言うと徐ろに制服の上着を脱ぎ、私の肩に掛けてくる。



「着とけ。その...寒ィだろ」



今の私の格好のことを言っているのだろうか。視線を窓の方に向けているのでどんな表情をしているのかは分からない。上着を貸してもらった、たったそれだけなのに女として意識されていることが物凄く嬉しく感じた。単純だと自分でも思う。

フロントガラスを雨粒が伝う。車内にはふたりきり。冷たい空気が肌をちくちくと刺して居心地の悪さを助長させる。



「報酬、どうするか決めたか」

「...はい」

「言ってみろよ」



どうせまた菓子だろうと思っているのだろう。確かにこれまではそうだったし別に甘い物が欲しくない訳ではないのだが、今は違う。

私が今、望むのは__



.

34→←32



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (273 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
793人がお気に入り
設定タグ:銀魂 , 土方十四郎 , 真選組   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

マツリ(プロフ) - Hiさん» 返信遅くなってしまいすみません🙇🏻‍♂️一気見ありがとうございます...!!嬉しいです! (3月3日 0時) (レス) id: 07cc4afb9c (このIDを非表示/違反報告)
Hi(プロフ) - とても面白いお話で今日一気見しました、、!!! 続き楽しみにしています(*^^*) (2月23日 3時) (レス) @page37 id: c9fcf96ef3 (このIDを非表示/違反報告)
マツリ(プロフ) - Honokaさん» ありがとうございます...!私も報われて欲しいです😂 (8月26日 22時) (レス) id: 07cc4afb9c (このIDを非表示/違反報告)
Honoka - 続き楽しみにしてます!!夢主ちゃん報われるといいな、、、、 (8月26日 16時) (レス) id: c2fc80e477 (このIDを非表示/違反報告)
マツリ(プロフ) - ななしさん» ありがとうございます!更新頑張りますね...! (2023年1月5日 12時) (レス) id: 153e8c8a98 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:マツリ | 作成日時:2021年7月16日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。