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"任務"開始から2週間が経過した。Aは何かと理由をつけて薬屋へ足を運び、ターゲット＿＿池田との距離は少しずつ縮まっていた。
池田の印象は悪くなかった。20代後半、独身、爽やかで容姿も整っていて、子どもに対しても優しい。本当に裏で薬を売り捌いているのかと疑ってしまう程気性の穏やかな男だった。
そんなこんなで今、Aは彼と二人で甘味処に来ていた。そう、例のかぶき町に新しく出来た和菓子専門店である。
きな粉がまぶされたおはぎを出来るだけ上品に口へ運んでいると池田の羊羹を食べる手が止まった。
「鈴木さんって普段は何して過ごしてるんですか？」
鈴木というのはAの偽名だ。バレる心配はないだろうが、名前を知られていたときのことを考えて一応偽名で通している。
というかまたこの質問か...Aは胸の内で溜め息を吐くとにっこりと笑みを貼り付け、予め用意していた答えを口にする。
「そうですね...読書はよくしますよ。知識も自然と身に付くし、昔から好きで」
嘘だ。寧ろ嫌いまである。土方のマガジンは勝手に読んでいるが、本に限らず小さい文字の羅列を眺めるのはあまり好きではない。この間、偶には勉強しろと土方から渡された本も数ページ捲って寝落ちしていた。黙っていればそれなりに教養のある女に見えるそうなので潜入の際は読書好きという体で通しているが、心底いつかバレるのではないかとヒヤヒヤしている。
というかそれなりにって酷くないか。副長は私をなんだと思っているのか。
無意識に土方を思い出していることにAは気付いていない。
「鈴木さん？」
「え？」
「何か考え込んでましたけど...大丈夫ですか？」
顔を上げると池田が心配そうに此方を見つめている。
危ない、任務を忘れてついボーッとしてしまった。
「い、いえ素敵なお人だなって...少し...見蕩れていただけ、です」
「えっ」
男の手の上に真っ白い自分の手を重ね、ゆっくりと誘う様に擦り合わせる。視線を絡めて微笑むと男は耳まで赤く染めていた。
案外チョロいなこの男。
＿＿そう思った矢先である。
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マツリ(プロフ) - Hiさん» 返信遅くなってしまいすみません🙇🏻♂️一気見ありがとうございます...！！嬉しいです！ (3月3日 0時) (
レス) id: 07cc4afb9c (このIDを非表示/違反報告)
Hi(プロフ) - とても面白いお話で今日一気見しました、、!!! 続き楽しみにしています(*^^*) (2月23日 3時) (レス) @page37 id: c9fcf96ef3 (このIDを非表示/違反報告)
マツリ(プロフ) - Honokaさん» ありがとうございます...！私も報われて欲しいです😂 (8月26日 22時) (レス) id: 07cc4afb9c (このIDを非表示/違反報告)
Honoka - 続き楽しみにしてます!!夢主ちゃん報われるといいな､､､､ (8月26日 16時) (レス) id: c2fc80e477 (このIDを非表示/違反報告)
マツリ(プロフ) - ななしさん» ありがとうございます！更新頑張りますね...！ (2023年1月5日 12時) (レス) id: 153e8c8a98 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：マツリ | 作成日時：2021年7月16日 16時
