続 ページ31
赤視点
謎が、解けるかもしれない。
なんとアイツの方から俺に話しかけてきた。
「ねぇ、井上くん。最近ぼーっとしてるけどなんかあったの?」
いやなんかあったって、お前のこと考えてんだよ。
なんであんな死んだ顔で泣いてたのに、今はそんな明るく笑顔でいられるんだよ。
今まで自分と関わることが少なかったやつがこんなに気になることが無かったから、不思議だったし少し怖かった。
だから、猪狩に相談してみた。
「それって、そいつのことが気になってるってことなんじゃねーの?」
「は?なんだよそれ。俺別に可愛い女の子にしか興味ねーし」
「よく言うよ。授業中もずーーーっとそいつのこと考えてるくせに」
「っ、別にそれは、なんで泣いてたんだろうって思ってるだけだし…」
「だから、それはつまり泣いてたそいつのことが心配なんだろ?」
「ま、まぁそうかもな…」
俺、アイツのこと気になってんのかな…
たしかに猪狩の言う通りだ。
アイツ、今何してんのかな。とか、今日は泣かずに元気でいるかな。とか。
そんな俺には関係ない、どうでもいいことなのに気になってしまう。
俺、いつの間に男のこと好きになっちまったんだ…
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作者名:ひきにく | 作成日時:2020年11月8日 20時