第56話「妹さん、取り乱す」 ページ9
もうダメだ…このままだと空腹と悔しさと切なさで息絶える。
言った方がいいのか…これ?
腹が減りすぎて、逆にお腹が鳴らなくなるほど限界が訪れた中、1人が動いた。
「A?大丈夫か?」
「……え、カラ松兄さん?」
ぐるぐる巻きの私に近づき、俯いた顔をそっと覗き込んだのは青のパーカーを着たカラ松兄さんだった。
しかも手には箸が握られていて…その先に……
私が待ち望んだKA☆RA☆A☆GEの姿が。
「兄さん!!カラ松兄さん!!マジで!?!?」
「ああ、愛するhoneyの為だ…当たり前だろ?」
「っ、兄さん…いや、お兄様……!!」
涙目になりながら目の前のカラ松お兄様、もう言っちゃえばGODが私に笑いかけた。
「ほら、口開けて…あーん」と唐揚げが口元に向かって差し出される。
少しだけ前屈みになりながら「あーん」と口を開け、friedのchickenを口の中へ入れられるのを待った……………
が、それはカラ松兄さんがパクリと食べてしまった。
………え?
目の前でもしゃもしゃと唐揚げを咀嚼するカラ松兄さん。
凄くいい音してる。してるけども。
カラ松兄さんの背後から冷静に「まあ、「あげる」とは一言も言ってないしね」と言うチョロ松兄さんの声が聞こえた。
口を開けたままアホ面を晒す私。
「えっ…兄さん、え?」
ある意味残酷な行為をしたカラ松兄さんは十分に味わった唐揚げをゴクリと飲み込むと、戸惑いを隠せない私の頬を撫でるように触り、ふむ…と自身の顎に手をやった。
「その絶望したかのような顔。……癖になりそうだな」
そう呟き、薄く笑った。
ぽんぽんと私の頭を撫でると、呆然とする実の妹を置いてそのまま自分の席へと戻って行った。
「……………………………クソがああアアアアアアアア!!!
死ねやカスどもが!!お前らなんかどうせその辺にいるミミズの糞レベルに汚れた存在じゃ!!!!
報いを受けろ!!苦痛に塗れて死に去らせ!!!
ひ○らしの皆様ー!!私に御慈悲を!!御慈悲をおおおおおおあの殺伐とした雰囲気をください!!!!!」
ゼーゼーと息を乱しながら必死に叫んだ。
当たり前だがひぐ○しの皆様からの返答はない。
しかし兄達はずっと黙って聞いていたまま飯食ってるので、何だか虚しくなってきた。
第57話「アメと鞭と少々の憎しみ」→←第55話「待機組の逆襲」
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こま - シンプルに言って好きです!カラ松のちょっと病んだ系のギャップえぐすぎて口から内蔵でましたwガチ、永遠に続いてほしいです!すべてが完璧すぎてもう毎日満面の笑みで一日を過ごしています!w続き楽しみに待ってます!!! (10月25日 19時) (レス) @page43 id: aa7af232a4 (このIDを非表示/違反報告)
みみ - めっちゃ好きです!!れお願いします!!!続き待ってます!!! (8月30日 22時) (レス) id: a39746ca53 (このIDを非表示/違反報告)
桃 - 超おもろい………続き待ってます!!!! (5月20日 23時) (レス) @page43 id: 4a7b17e5bc (このIDを非表示/違反報告)
柊(プロフ) - 続き待ってます···! (2022年4月7日 22時) (レス) id: a82882ac10 (このIDを非表示/違反報告)
ゆらっち - 本当にもう好きすぎます... (2022年3月27日 1時) (レス) @page43 id: ab3ad11547 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぱんこ | 作者ホームページ:
作成日時:2016年3月28日 16時