第73話「軟体動物の結束は固い」 ページ28
一松兄さんのパジャマを引き千切る勢いで脱ごうとしたら、フッ…と視界が開けた。
驚いて目を丸めた私の目線の先には、いっちパジャマを掴んだトッティの姿。
「もー何してんの一松兄さん。この状態のAを虐めちゃ可哀想でしょ!」
いっちパジャマを小さく丸め、全くもーとまた部屋から出て行ったトッティ(慈悲深き暗黒の神)。
そして、そんなトッティを見て至極つまらなさそうにケッと吐き捨てる一松兄さん。
…あれっ、もしかして。
「一松兄さんってアレか、「好きな子を虐めたくなる」っつー典型的な小学生男子の考えを未だに持ってるのか。
ぶっふぉ、超ウケる。お前も私LOVE()なのか。一松兄さんマジ小学生」
「は?」
「ごめん冗談です。本当にすみませんンアアアア指刺さる指刺さる!ほんとに目に刺さっちゃうからアアアア!!!」
前髪を掴まれ両目の前にそれぞれ指が突き立てられた。
いつも死んでる目が爛々と輝いているのでこれは本気だ。マジで私の目を殺りにきている。
後少しで刺さるところまできて、あ"あ"あ"あ"と絶叫する私を見て歪んだ笑みを浮かべる一松兄さん。
しかし、ひたすらイモムシしていた十四松兄さんがイモムシ仲間が処されようとしているのを目の当たりにして、「それはあきませんぜ兄さん!」と一松兄さんにエルボーを食らわせていた。
貴方に一生ついて行きますと十四松兄さんの前で頭を地面に擦り付け泣いた。
.
そして、やっと朝食が出来たらしい。
イモムシごっこに飽きてカタツムリごっこをしていたら急に「飯だ雑魚ども!」とクズ(長男)が台所から来たのでワーイ!と二人で喜んだ。
(カタツムリごっことは→ニョロニョロ動く本体と、その上に乗って殻のように体を丸めているだけの二人だけでできる簡単な遊び)
※本体は十四松兄さん、殻は私
本体が急に立ち上がったので殻の私はゴロゴロ転げ落ちながらもいそいそと机に向かった。
「てか多くね?料理。食べきれんのかこれ」
机の上に並べられた料理の数を数え、ついそう呟いた。
「なーんかカラ松がやけに張り切ってさ。
しかもすげー手際よく作ってったからまあいいかってなって、好きにやらせたらこうなった」
「マジか」
「待たせたなA!完成したぜ」
一番最後に部屋に入ってきたのは、何故かテンションの高いカラ松兄さん。
その手には、また新たな料理が乗せられていた。
第74話「育成牛はこちらです」→←第72話「蝶になるための試練」
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こま - シンプルに言って好きです!カラ松のちょっと病んだ系のギャップえぐすぎて口から内蔵でましたwガチ、永遠に続いてほしいです!すべてが完璧すぎてもう毎日満面の笑みで一日を過ごしています!w続き楽しみに待ってます!!! (10月25日 19時) (レス) @page43 id: aa7af232a4 (このIDを非表示/違反報告)
みみ - めっちゃ好きです!!れお願いします!!!続き待ってます!!! (8月30日 22時) (レス) id: a39746ca53 (このIDを非表示/違反報告)
桃 - 超おもろい………続き待ってます!!!! (5月20日 23時) (レス) @page43 id: 4a7b17e5bc (このIDを非表示/違反報告)
柊(プロフ) - 続き待ってます···! (2022年4月7日 22時) (レス) id: a82882ac10 (このIDを非表示/違反報告)
ゆらっち - 本当にもう好きすぎます... (2022年3月27日 1時) (レス) @page43 id: ab3ad11547 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぱんこ | 作者ホームページ:
作成日時:2016年3月28日 16時