第27話「ドロドロに溶かされてしまうようだ」 ページ30
待つこと数分。
ウトウトしかけてたところにガラリと襖が開いた。
そちらに目を向けると、水を張った桶の中にタオルを入れた物を持ったカラ松兄さんの姿。
横に座り、腕まくりをしてからタオルを絞るカラ松兄さんに対して、私は内心焦っていた。
「(ま、まさかコイツ、前に兄妹がほぼ全員熱で倒れた時発生した「一松様ァ!事件」を起こす気じゃ…?)」
弱いところに漬け込んで「ドS発揮」なんて漫画でよくあるし…実際別の兄がやらかしましたし。
どこまで譲歩しようか、「お兄様」辺りまでならギリギリ許せるなと考えていると前髪を手で上げられ、ギンギンに冷やされたタオルがペトリと貼り付けられた。
完全に不意を突かれたので「ぴょっ!?」と奇声を放った。
「ぴょ?…あ、どうだ?気持ちいいか?」
「え、あ…うん。きもちー」
タオルを押さえて目を丸くする私を見て、カラ松兄さんは「そうか」と微笑んだ。
「病院には行かなくていいのか?」
「…ん、かないりょうほうがいい…びょーいんいくのめんどい」
「そうか…じゃあ何か買ってくる。何が欲しい?」
「…ん"ん…あー?…じゃあぽかり…
と、アイス…ついでにじゃが○こ」
「了解だ。アイスはハーゲンダ○ツでいいか?」
「…そんなたかいもんじゃなくていい…胃がもたれる。
「ガツンとみ○ん」らへん…」
「分かった」
ちょっとだけ待っててくれと言い、私の頭を一撫でして立ち上がった。
去りゆく背中にカスカスの声でちっちゃく「いってらっしゃい」と声をかけると、一瞬びっくりしたようにこちらを振り向き、「ああ」と嬉しそうに笑った。
「行ってくる」
######
兄が(恐らく)近くのコンビニへ向かってから、私はぼーっと天井を見つめながら1人考えていた。
そういや今日数学あったけどサボれたなーよっしゃとか、
今日やるはずだった科学は友人AにLINEで教えてもらおうとか、色々。
あと…、…カラ松兄さんって、なんか怖い時は恐ろしい程怖いけど…甘い時はデロデロに甘いんだよなあ…
もういっその事私が学校行かなきゃいいのかなんて考え始め、大きなクシャミを一つこぼした。
すると、何処からか視線を感じたような気がした。
周りを見える範囲だけ見渡す。
当たり前だが、この部屋には私以外いない。
じゃあだれが…と考えた時に、部屋の襖がガラリと開いた。
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かがやっきー - 面白くて何度も見てしまうwww (9月16日 10時) (レス) id: 8d95105aca (このIDを非表示/違反報告)
コマチ - もうwwwヤバいwww (2021年4月10日 13時) (レス) id: 4dbda32ce7 (このIDを非表示/違反報告)
なすび - 笑いが止まらないです!w (2018年11月15日 17時) (レス) id: aacec57d7d (このIDを非表示/違反報告)
花曇りの向こう - 『そこ、胃じゃなくて腸や。』 (2018年6月24日 11時) (レス) id: aa550f4f7c (このIDを非表示/違反報告)
病み少女 - おもろいw何時もニヤけて見てる (2018年1月28日 19時) (レス) id: 84f04abc98 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぱんこ | 作者ホームページ:
作成日時:2016年2月22日 18時