第21話「妹の才能→→→変人ホイホイ」 ページ23
そして私は挙動不審の塊になった。
視界の中に青が写り込むたびに瞬時にバク転して、とにかく距離をとった。
特に下半身は保護対象だ。
もう誰も信じられない。
.
また、靴箱の中に大量に敷き詰められた手紙を処分した。
もういい加減にしてくれ。
そもそも顔も名前も分からない相手を誰が好きになる?
イライラが募り、ついつい舌打ちを零した。
手紙はびりびりに破って、適当にゴミ箱に捨てた。
「…ほんとクソ…もう何なんだよちくしょー」
ポツリと呟く。
その時、何かが頭にコツンと当たる。
「?」と疑問符を浮かべて周りを見渡すと、私の真下に一枚の紙飛行機。
それを拾い上げたと同時に、誰かの気配を察知した。
そちらに目を向けると、誰かが廊下の陰からこちらを覗いているのが見えた。
暗くてよくわからないが、その人物はそのまま廊下の向こう側へ走り去って行く。
「…え、あ、ちょっと待ってそこの人!!」
すぐに追いかけ、曲がり角を曲がったがそこにはもう誰もいなかった。
ええ…足早…と息を上がらせゼーゼー呼吸を乱したままそう呟いた。
恐らく、今の人物が投げたであろう手紙を見てみた。
「…?……!」
.
《君のそばにはいつでも僕が付いています。
だから、そんな風に苦しみを溜め込まないでください。
君の苦しみは、僕の苦しみでもあるから。》
.
.
《例えそれが、君の「家族」の問題だったとしても。》
得体の知れない恐怖が全身に纏わりつく。
思わず手紙を落としてしまった。
バッと顔を上げて、すぐさま周りを見渡した。
気配が感じる。どこから?
外から?いや後ろ…?
…どこだ、どこにいる、このど変態クソ野郎。
お前のせいで…お前のせいで、もう散々だ!!!
怒りが恐怖を凌駕した。
「このど変態ストーカー野郎!!!
お前のせいでもういろいろクソなんだよ!!!
お前の好きな私はただのクズだから、こんな感じだからもう金輪際私に関わるな!!!
分かったか!!!」
声を荒らげながらそう叫んだ。
ストーカーのせいで朝早くから学校にいるので、しん…とした廊下に大きく響き渡った。
《そんなところも引っくるめて、全部が大好きなんだよ》
そんな紙がひらりと目の前に落ちてきたが、私は迷わずそれをぐしゃりと踏み潰した。
第22話「その距離、僅か数センチ。」→←第20話「そうだ、ミカヅキモになろう。(遺言)」
2412人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「おそ松さん」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
かがやっきー - 面白くて何度も見てしまうwww (9月16日 10時) (レス) id: 8d95105aca (このIDを非表示/違反報告)
コマチ - もうwwwヤバいwww (2021年4月10日 13時) (レス) id: 4dbda32ce7 (このIDを非表示/違反報告)
なすび - 笑いが止まらないです!w (2018年11月15日 17時) (レス) id: aacec57d7d (このIDを非表示/違反報告)
花曇りの向こう - 『そこ、胃じゃなくて腸や。』 (2018年6月24日 11時) (レス) id: aa550f4f7c (このIDを非表示/違反報告)
病み少女 - おもろいw何時もニヤけて見てる (2018年1月28日 19時) (レス) id: 84f04abc98 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ぱんこ | 作者ホームページ:
作成日時:2016年2月22日 18時