第佰拾捌話「或る二人」 ページ32
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そしてまた私を抱え、男性はスタコラサッサと歩き出す。
進む足に全く躊躇などない。
そしてまた私の首がだらんと落ちれば律儀に直される。
しかしずっっっっと無言である。
なんだ、これは。
「かなり毒が回っている。頼んだ」
そう言い、言葉少なに私と私の刀を目の前の女性に渡して去って行った黒髪の男性。いや端的〜!もっと話した方が良いのでは??女性怪訝な顔されてますよ!?
それに……あああ、結局お礼言えてない…!
「……冨岡さんはいつも口数が少なくて困りますね。他人との意思疎通を図るつもりが無いのでしょうか。だから嫌われるんですよ」
「(えっ)」
「ね?貴女もそう思いません?」
「(えっ)」
そう思いません?と言われましても。お姉さん、綺麗なお顔をしてるのに滅茶苦茶毒吐きますやん。というか、冨岡さん?あの男性、冨岡さんって言うの?
若干顔を引攣らせながら黙ってガン見したら、「ああ、神経毒に侵されているんですね。分かりました」と言われ……えっ、よく分かったな。何にも話してないのに、私の引き攣った笑み見ただけで分かったのか。この方はお医者様とかなのか?
仰向けに寝転がった状態の私の肩に手を回し、お姉さんは軽く持ち上げ私の上半身を支える。
そして小さな瓢箪のような物を取り出し「ゆっくり飲んでください」と言い私の口元に当てたので、言われた通りに少しずつ飲み込んでいく。薬、だろうか。少しだけ苦い。
これ吹き出したらアウトなんだろうな、お姉さんすっっげえ嫌な顔しそう。
……こんな時に何考えてんだ私。
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えのぐ(プロフ) - 初めまして!もうこのコメント欄みないかもですけど一応言っておきます…百弍話の最後「異性には厳しい」と書いてありますが同性では…?細かいかもしれませんが…!この作品大好きですん。更新頑張ってください…! (2019年9月18日 19時) (レス) id: 6a2a84fe35 (このIDを非表示/違反報告)
シアン(プロフ) - 今日1日で全部読んでしまいました()好きです!これからも更新頑張ってください! (2019年7月29日 20時) (レス) id: 8d130acbce (このIDを非表示/違反報告)
衣鶴奈(プロフ) - 夢主ちゃんが本当に面白すぎて1話ごとに必ず笑ってますwwめちゃくちゃ面白いです!更新頑張ってください! (2019年7月29日 11時) (レス) id: 8c5e0feeb8 (このIDを非表示/違反報告)
ニコ - コメント失礼します。この作品が面白すぎて、全然原作知識ないのに壱から1日で読んでしまいました!!番外編も含め、続きすっごく楽しみにしています!! (2019年7月27日 22時) (レス) id: 8f71767d1e (このIDを非表示/違反報告)
棒人間 - 初めまして。この作品、とっても面白いですね!たまたま見つけて読んだのですが、この作品で鬼滅の刃の夢小説に目覚めました。応援しています!頑張って下さい! (2019年7月25日 21時) (レス) id: 804948c577 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぱんこ | 作成日時:2019年7月21日 9時