「止まり木の烏」 ページ20
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不良先輩とのちょっとした邂逅の後、全力で血を拭き取って若干髪を湿らせながら教室に戻る。
私の席が嘴平くんに占領されていた。
4人が楽しそうに駄弁っている。
というかめっちゃ顔良いメンツが私の席周辺に集っている件について。
「どうすりゃ良いと思いますか不死川玄弥くん」
「な、んで俺、おい」
「カナヲちゃんが朝部活から帰って来んのでさぁ、丁度君らの席前後ろじゃん?ちょっとカナヲちゃんのお席をお借りするついでに君と駄弁りたいあわよくば本を読みたい」
「前を見ろこっち見んな黙って本を読めさっさと席に戻れ帰れ」
「急に饒舌」
そして冷徹。君って確かお兄さんいるよね?傷だらけのさ、前に通りすがった時「あれ学校にヤ○ザいる?」って思ったよ。あの遺伝子が受け継がれてるなら仕方ないな、何なら人を殺しそうな目付きは似てるもんな。
思わずガン見してたら彼の顔が赤く染まった。おん?
「ねえ、玄弥くん、だよね?君も一緒に話そうよ!」
そしたら遠くから彼女の声がした。
不死川くんの目がそっちを向いたので、私もそっちを見る。
来海さんプラス全員。みんなこっちを見ていた。
先程の私同様ガン見である。
えっ。何で?あっもしかして不死川くんに向けられてる?「てめえなんで可愛い来海さんに声掛けられてんだよおい」みたいな感じ?みんな目が怖いんだけど、私関係無いよね?みんな来海さん優先だもんね?
ねえ本当、私じゃないよね?なんか怖いんだけど。
「おい、さっさと行けよお前。分かってんだろ」
「えっっ何が?何で?君が呼ばれてんじゃん」
「ちげえだろ、そっちじゃねーよ」
「ごめん意味が分からん、ともかく来海さん呼んでるし行きなよ不死川くん。構ってくれる人が私以外に現れたよ」
「何で俺がお前に構ってもらいてえみたいな話になってんだよ!!!!!」
………最初は小声だったのに最後滅茶苦茶デカイ声出したな不死川くん。
教室中に響き、それに気付いた不死川くんはきまずそうに舌打ちをする。
しかし席から離れる様子はない。
「何かごめん……コレ飲む?」
「は?………のっ飲みかけ渡すとか馬鹿かお前!!!」
「アッごめん、ついカナヲちゃん相手にしてるみたいに」
「要、っらねえよ、引っ込めよ、さっさと席戻れよ」
顔を真っ赤にして外方を向く不死川くん。やだぁ照れちゃって。来海さんから声掛けられたのがそんなに響いてるのか、純情ボーイめ。
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さゆ - えっ、えぇぇ…すごく面白いです!!更新頑張って下さい! (2021年12月24日 7時) (レス) @page22 id: 49d2dc5d0e (このIDを非表示/違反報告)
ノン - ヤバい。何この神作品。神過ぎる。あっ、ごめんなさい。本音出てました。ということで(え、どういうこと?)すっっっごく面白いです!応援してます!更新頑張ってください! (2020年9月12日 19時) (レス) id: b9bee98473 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - めっちゃくっちゃいいです!!もう、良すぎて鼻水が出てきました(?)続きすごく見たいです、更新楽しみにしてます!! (2020年8月11日 21時) (レス) id: c629cc7e2d (このIDを非表示/違反報告)
愛留(プロフ) - とても面白かったです!続きめっちゃ気になります…更新待ってます! (2020年5月23日 16時) (レス) id: 256b0d1c3f (このIDを非表示/違反報告)
うりょ - 続きが気になります!!!! (2020年5月18日 22時) (レス) id: 21c35aca73 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぱんこ | 作成日時:2019年9月23日 1時