金髪君に散々貢いで貰ってたら、いつの間にか形成逆転されかけた話。弐【鬼滅の刃】

虚弐、『偽りと真』 ページ8

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「先にも後にも、きっと後悔なんてしない。
俺は君のお陰でここまで生きて来れたんだ。「Aちゃんの為にお金を貯める」って明確な目標があったから、例えどんなに苦しくても、君の事を思えば血反吐吐くくらい辛い修行も絶対死ぬって思ってた最終選別も死に物狂いで乗り越える事が出来たんだ。今の俺があるのは君のお陰だ、だから……ありがとう、Aちゃん」



そう言って、彼は笑った。

…………いや私何もしてない。
さいしゅうせんべつ？生き残れた理由が「私に貢ぐ金を稼ぐ為」？理由不純過ぎだろ、そんなんで頑張れる君の気が知れねーわ。


思わず笑みが溢れた。顔面べちゃべちゃにして、それでも笑顔を浮かべる。



「君って本当可笑しい奴」



涙がぼろぼろ溢れていく。それでも何だか可笑しくて、情けない顔を晒して笑った。



「……うん。俺、やっぱり今の君の方が好きだ」

「前は嫌いだったのかよ」

「違うよ、何というか……前は作ったような笑顔しか見せてくれなかったし、今の自然な笑顔を見れて良かったって言うか、勿論昔の君も好きだけど、その」

「こんな情けない顔を見れて良かったのか」

「ちょっと、何でそんなにも悲観的になってるのAちゃん」



うっさい。これが本当の私だ、何か文句でもあるのか。

自分に自信が無くてマイナスな事しか考えられなくて、人に流されるままに自分の意見を持たないのが私だ。



「前の大人ぶった喋り方も好きだったけど、今の男勝りで口の悪い君も好きだなぁ」

「全体的に貶してんじゃねーよ」



なんだ「大人ぶった」って。君には何もかもお見通しだったってのかよ、本当怖いわ君。



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