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圓漆、『今ここに、証明する』 ページ23

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……………待って、私今、物凄く面倒臭い女になりかけてた。やばい、私のアイデンティティー、「クールな大人のお姉さん」が消えかけてるぅぅ!!!



「いま可愛い音聞こえた。鈴の音みたい。Aちゃん、今寂しいって思った?」

「………………………ところでな、根無し草とは外来語でa rootless wandererと言ってな、草なのにほぼホームレスか放浪者って事を指してだな」

「話の逸らし方が露骨過ぎるよAちゃん」



ジッと彼に見つめられ、サッと目を逸らした。
君のその目、「君の事全部知ってるからね」って感じがしてやだ〜〜、君早速私の嫌な事しちゃってるよどうすんの〜?



「あと、なんかしっかり言えてなかったような気がするから、ちゃんと言い直すね」



あからさまに目を逸らして天井の木目をガン見していた私の前に彼は来て、静かに正座をした。お手本のように滅茶苦茶姿勢が良く、こっちを見つめる視線まで真面目な色を放つ彼の、目。


それだけで、何故か緊張感が出た。
私まで崩していた足を戻し、恐る恐る正座をする始末である。



「Aちゃん、俺と結婚してください。一生この手で君を守り、必ず幸せにします。……どうかこの手を取って貰いたい、です」



頭を下げ、スッと、彼の手がこちらに差し伸ばされた。
彼の手。私より大きくて、ゴツゴツしていて、見ただけで彼の「努力」を感じられる、そんな手。

それが真っ直ぐに私に向けられている。



それだけで、どうしようもなく胸が熱くなった。



「…………………お、お付き合い、から、お願いします」



そっと、手を取って握り返した。
やべえ噛みすぎた、明らかに動揺してるのバレたしそもそも心臓の音でバレてるよな君の耳って本当に厄介。


彼はパッと頭を上げ、私の顔を見る。何だか恥ずかしくて、赤く染まった顔を隠すように下を見た。
純愛なる彼の眼差しが堪らなくむず痒く感じて、その、まあめっちゃ恥ずかしいって事で、



「有難う。………愛してる、Aちゃん」



そんな私の手を握り、彼は手の甲に口付けを落とした。



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圓捌、『縛られる』→←圓陸、『鬼殺の君』



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設定タグ:鬼滅の刃 , 我妻善逸 , トリップ   
作品ジャンル:恋愛
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葵羽〜best friend group〜(プロフ) - 善逸の誕生日ということで、「善逸君はぴば!」のお話を見にきました…何回読んでも面白い…凄く好きです…! (2020年9月3日 14時) (レス) id: bccf6ec4c9 (このIDを非表示/違反報告)
- 面白いです!更新頑張ってください! (2019年9月17日 20時) (レス) id: 5aaa39b99e (このIDを非表示/違反報告)
もこ - とてもすき! (2019年9月17日 12時) (レス) id: fcbb1370f0 (このIDを非表示/違反報告)
まえむ - え、鴉かっけぇ…続きが気になりすぎます!!!更新頑張ってください!! (2019年9月17日 1時) (レス) id: 572cac2bfb (このIDを非表示/違反報告)
花帆 - 更新ありがとうございます!何だかハラハラする展開…!続きも気になります(o>ω<o) (2019年9月15日 5時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぱんこ | 作成日時:2019年9月1日 11時

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