第佰枯捌話「何よりも、誰よりも」 ページ21
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「……善逸くん。今は何も証明することが出来ないから、ただ「信じてくれ」としか言えない。
私だって鬼殺隊に所属してますし、命を賭して人を鬼から守らなきゃいけない。……今こんな事をしてる間にも人が襲われている。一刻も早く助けに行かなきゃいけない。だから離してくれ、頼む」
ドゴン、と何処からか重い音が響いた。
車内が揺れる。それに伴い座席に眠る人達が振動によって揺れた。
「そもそも戦闘の場に私情を持ち込むのは駄目だろ」
「…………なら………約束して、」
肩を掴む手の力が弱くなった。
彼はあいも変わらず眉を寄せたまま、しかし私の肩から手を離した。
そして、私に背を向ける。
彼が握る金色の刀から、ミシリと音が鳴る。
「絶対、死なないで。_____気を付けて」
「……っ勿論!!」
トラックに轢かれた後に死ぬなんて絶対嫌だからね!!
私の背後に迫っていたぶよぶよは刀で勢い良く斬り裂いた。前を見る。
善逸くんはいつの間にか車両の奥の方にいて、乗客達を守っていた襧豆子ちゃんに応戦していた。
「2人とも、ここは頼みます!!」
「むー!!」と襧豆子ちゃんの元気の良い声が聞こえた。バン!と爆発したような音も聞こえた。
絶対死なない、………とか言ったら完全にフラグ立ちそうだからやめよ。
「………這ってでも、生きて帰るから!!」
なので、よろしくお願いしますっ!!
今居た車両から出て、私も走る。
隣の車両内。やはり全ての人間が眠りに就いていて、その背後から気持ちの悪い物体が蠢き纏わりつこうとしていた。
「気持ち悪いんだよこのぶよぶよどもが!!!!」
大きく息を吐き出し、そして静かに吸い込みながら抜刀の構えを取り、足に力を込めた。
床が軋む。
今度は
「天の呼吸、弐ノ型____天馬!!」
空を駆ける馬の如く、自由に奔放に____車内を駆け巡り、得体の知れない物体を一刀両断し、斬り裂いた。
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はる - やば、めっちゃ最高…!!ゆっくりでいいので更新待ってます‼ (1月30日 19時) (レス) id: 41084e4d77 (このIDを非表示/違反報告)
まる - ここで更新停止かぁ… (2021年9月29日 23時) (レス) @page28 id: 87d8813e38 (このIDを非表示/違反報告)
お酢 - 更新楽しみに待ってます!!!更新頑張ってください!!! (2020年10月22日 21時) (レス) id: e1ff724525 (このIDを非表示/違反報告)
黒豆粉 - 応援しています。更新を楽しみに待ってます。 (2020年10月10日 21時) (レス) id: a216a85358 (このIDを非表示/違反報告)
さくらのん - 面白いので、更新停止されてて悲しいです。 (2020年8月3日 12時) (レス) id: 7e097f90aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぱんこ | 作成日時:2019年8月12日 21時