存在価値を証明せよ - izw ページ38
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「…」
「なんで、こんなところに俺を呼んだ?」
夕方、とあるビルの屋上
私は最後の望みとして、仲良くしてくれていた彼に一つだけ聞きたいことがあったから呼びだした
まあ、聞いたら私はこの世から消えるつもりだからここにいるんだけど
「拓司さん」
「なんで、私に構ってくれたんですか?」
小さい頃から人と上手く話せなかった
何をしようとしても上手くいかなくて
話せずに戸惑っているとでかい声で怒鳴られてしまうしそのせいで影で悪口を言われるようになってしまった
そんな時に出会ったのが拓司さんだった
拓司さんは上手く話ができない私なんかに構ってくれて
最初の方は何考えてるのか分からなくて怖くて声すら出なかったけど、次第に彼を知るうちに慣れてきてしっかり話せるようになって
1番お世話になったと言っても過言じゃない、そんな人物だ
「なんでって、貴女がとても素敵な方だから」
「え?」
「遠くでAを見かけた時、迷子になった子どもを一生懸命あやしていました」
「時には図書館で置き去りになった本を戻してあげたり、落ちていたゴミを拾って捨てておいてあげたり」
拓司さんには話したことのない出来事を次々と上げていく
迷子になった子をあやすなんて、私なんか到底できないけどどうしても放っておけなくて
大変だった記憶しかない
「何で、知ってるんですか…?」
「だって俺、貴女のことずっと見てたから」
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いろ(プロフ) - 続き!!!ありがとうございます!凄い楽しみにしてたので嬉しいです…!!! (2020年4月17日 11時) (レス) id: 5fbef9d1c0 (このIDを非表示/違反報告)
ay(プロフ) - まめさん» まめさんありがとうございます。完全に自己満のお話ですが、そう言ってもらえてとても嬉しく思います。君がいるだけで幸せだ はもう少し続きますのでお楽しみに。 (2020年4月4日 11時) (レス) id: bb41346c1e (このIDを非表示/違反報告)
まめ(プロフ) - いつも楽しみながら見させてもらっています!どのお話もすごく素敵なのですが、特に『叶わなくたって幸せだ』シリーズが大好きです!これからも頑張ってください。 (2020年4月4日 9時) (レス) id: 27f3e6d9c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ay | 作成日時:2020年3月21日 12時