兄に妬みを。父には承認欲求を。３【僕のヒーローアカデミア】 (ページ6)

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その日の夜、冷猫は台所で水を飲んでいた

するとそこにたまたまか見計らってかは知らないが、轟がやって来た

それに気付いた冷猫はすぐさまそこから離れようとするが、それを轟が阻止した

轟「必殺技どうだ？」

冷猫の眉間にかなり深い皺が寄る。もう本当に嫌いなんだなって事が一目で分かるぐらい

『話しかけてこないで』

今度こそ冷猫は離れようとしたが、その腕を轟が掴んで話さなかった

『離して』

轟「……」

『っ離して！』

男女の差は大きく、強く掴まれた腕を振り解く事が出来ず、冷猫の表情は半分苛ついている

『ねぇ、何がしたいの？何が言いたいの？黙ってちゃ何も分からない、何も無いならその腕離して』

近くにいた人は何だ何だとその様子を見ている

それでも轟は下を向いて黙ったままだから、冷猫は思いっきり腕を振って振りほどく

『ほんと嫌。話しかけないで』

そう吐き捨て、自室に戻ろうとした時だった

轟「…お前は、何でそんなに俺の事を嫌うんだ」

前にも聞かれた

『…は？』

冷猫の顔からは表情がすっかり消え失せ、酷く冷たい声だけが口から出る

『何でって……アンタ本当に分からないの？』

轟「………俺が、お前からアイツを奪ったからか？」

轟がそう答える

『…っそうだよ…アンタが…アンタのせいでパパは私を見てくれない…アンタが私と燈矢兄からパパを奪った…！やっと自覚したの…！？』

そう言う冷猫の表情は酷く歪んでいる

そして、轟のこの一言で冷猫は酷く怒鳴った

轟「＿＿＿＿お前、ずっとアイツに縛られて生きているけど、もうガキじゃねェねだ。いい加減大人になったらどうだ」

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