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「っあ〜…くるし」
「苦しいじゃん」
無事に？ライスも完食した彼は店を出た瞬間にお腹をさする。私が笑ってももう反応なんてせずに少し顔を顰めたまま歩き出した。
「うまかったろ？」
「うん、美味しかった」
「まだあるよ、うまいとこ」
でもやっぱりラーメンへの愛は消えないらしい。携帯を取り出してきっとマップアプリを見ながらこの辺だとーなんて駅ごとのおすすめを口で羅列する。
とことん愛されてるな、ラーメン。
「……楽しい片想い」
「ん？」
無意識で小さく呟いた言葉はそれ。
「…いや？ほんっとラーメン好きだねぇと思って」
ラーメンみたいに楽しく好きでいられたら、そりゃあずっと好きだよなと思う。解釈違いにも程があるけど、また阿部ちゃんの理論に納得してしまって。
「俺は一途ですから」
聞こえていなかったはずの彼はそう言って、カメラロールの中のラーメンたちをチラッと見せる。
「……同僚が言ってたんだけどさ」
さもその一言で思い出したかのようにそう切り出した私に携帯をスッとしまう。それと同時に両手をポケットに入れたふっかは私を見た。
「ずーっと誰かを好きでいられる人って、それが楽しいから片想いでもずっと好きでいられるんじゃない？って。でも叶わない片想いだったり、相手が興味ないって分かってれば想い続けるのは辛いし、辛いことはやめたいのは当たり前だよねって」
寒くて私もポケットに手を入れる。
この間私が見送ったあの二人は、手を繋いでからさっくんが自分のポッケに凛の手ごと入れていたっけ。
「楽しいことは続けたいのも当たり前」
羨ましいとかじゃなく
普通に微笑ましいな、素敵だなってそのふたつの背中を見て思った。
「……それ、ラーメンと関係ある？」
「ふっかがずっとラーメンが好きなのも楽しいからだねと思って」
「俺ラーメンに片想いしてる自覚はないけど」
「だから凛もさっくんもずっと好きでいれたのかなって、楽しそうだったじゃんあの2人」
「関係ねぇじゃん、ラーメン」
少し呆れたように、でもちょっと面白かったのか笑ったふっか。
「この間話したじゃん、あの2人よくそんな長いことって。だからその同僚の話聞いて凄く納得したって言うか、確かにと思って」
その横顔が、なんだか凄く綺麗だった。
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ぽぷら(プロフ) - ayaさん» ありがとうございます！もう少しでラストスパートなので、引き続き楽しんでいただけたら嬉しいです☺️ (4月8日 20時) (
レス) id: 0e689a64ff (このIDを非表示/違反報告)
aya(プロフ) - 今回も好きなお話で一気に読みました！胸がきゅーっとなります！！ (3月24日 22時) (レス) @page47 id: ff23500b61 (このIDを非表示/違反報告)
ぽぷら(プロフ) - 優希さん» ありがとうございます☺️ゆっくり更新にはなりますが楽しんでいただければ幸いです！ (3月15日 21時) (レス) id: 0e689a64ff (このIDを非表示/違反報告)
優希(プロフ) - 見つけた瞬間飛び起きました👏もう面白くてわくわくしてます！😍 (3月5日 23時) (レス) id: 9e7ca0af4f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽぷら
| 作成日時：2024年3月1日 23時
