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テーブルには卵焼きと揚げ出し豆腐。
もう何も聞かずに彼が頼んだようで。
うい、なんて差し出されたグラスにカチンと自分のをぶつける。一口流し込んだお酒は何だか味が濃い気がした。
「…最近どうなの？」
「なんだそれ、どうもねぇよ」
今までは例え2人になったとしてもさっくんと凛をどうくっつけようとかそんなことばかり話していたから、もうその2人の事を擦るのはいいかと思えばじゃあ何を話すんだ…？と意外と分からなくなって
「やけくそっぽいけど」
「ふつーに仕事してふつーにゲームしてふつーにこうやって友達とかと飲んで、だよ」
「んじゃあ楽しいんだ？」
「楽しい…まぁ、だから普通よ」
個人的な愚痴もなかった私が始めた会話はそんなこと。少なくともそれなりに顔を合わせている友人に聞くことではない。
「じゃあそっちはどうなのよ」
「どう…」
当たり前に返ってきた問いは自分を悩ませた。
数秒前の自分に何聞いてくれてんのと。
「普通…だな」
導き出した答えはオウム返し。
「ほら、結局普通なのよ」
「…そうですね」
「それが一番いいの、普通が一番」
ぐっとグラスを傾けたふっか。
そして揚げ出し豆腐に手を伸ばす。
「…たまには普通じゃないのが欲しくない？」
「どゆこと」
「えーなんていうか、毎日普通で飽きたりとかさ」
「普通が楽しいならそれでいいし、普通が辛いならやめたいだろうし。俺は楽しい寄りだからいいの」
卵焼きを口に入れた私はそんなことを言うふっかが何だか大人に感じて。大学の頃から大きくは変わってないと思ってたけど、やっぱりそれなりには変わってるのかもしれないなと。
「ふーん」
私はどうだろう。
変わってるところも変わってないところも多分あるだろうし、変わってなきゃいけないところもある。
「まぁでも、たまに思うよなぁ。なんかちょっと刺激が欲しいみたいな」
「刺激？」
取り皿にある揚げ出し豆腐が彼の口に消える。
もぐもぐとしながらどこか遠くを見つめたふっかは箸を置いて頬杖をついた。
「日常ではない何か」
「…例えば？」
「えー、そんなの分かんねぇよ」
かと思えば、すぐにグラスを手に持つ。
その手、白くて綺麗な手。
男性っぽくないスラリとした指は何だかビールに似つかわしくない。
ネイルが映えそうだなぁ、なんて。
ぼーっとそんなことを考えた。
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ぽぷら(プロフ) - ayaさん» ありがとうございます！もう少しでラストスパートなので、引き続き楽しんでいただけたら嬉しいです☺️ (4月8日 20時) (
レス) id: 0e689a64ff (このIDを非表示/違反報告)
aya(プロフ) - 今回も好きなお話で一気に読みました！胸がきゅーっとなります！！ (3月24日 22時) (レス) @page47 id: ff23500b61 (このIDを非表示/違反報告)
ぽぷら(プロフ) - 優希さん» ありがとうございます☺️ゆっくり更新にはなりますが楽しんでいただければ幸いです！ (3月15日 21時) (レス) id: 0e689a64ff (このIDを非表示/違反報告)
優希(プロフ) - 見つけた瞬間飛び起きました👏もう面白くてわくわくしてます！😍 (3月5日 23時) (レス) id: 9e7ca0af4f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽぷら
| 作成日時：2024年3月1日 23時
