陰キャとさくまの水曜日 2

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もう自分が何をしているのかも分からなくなって。

いいや、一人で高いのでも食べてやろうかって学食に来た。お昼時の学食は混雑していて、ガヤガヤと券売機に並ぶ人たち。


「……購買でいっか」


この列に並ぶのは気が引けて身を引き返した。



「あ！Aちゃん！」

「康二くん…」

「ちょっと授業終わるの遅かったから連絡せんかったんやけど。今からか？一緒に食べてもええ？」

「あ、うん。いいよ」



引き返した途端に声をかけられた康二くんと一緒に券売機に並んだ。

毎回お礼だって出されそうになるから、そのお金は貯めといてまた3人でご飯いこうって制した。さすがに安い学食でも毎回は申し訳ない。私も楽しいからいいのって説得して今はちゃんと自分で払ってる。



「今週の水曜めめもおらんらしくてな、俺絶対退屈やわ」

「へぇ、珍しいね」

「Aちゃん臨時で来てくれへんか？」

「店長に怒られるよ」



別に行ってもいいなとか思ってしまった。一回くらい私が来なくてもって、そもそも今週も待ってくれてるのかも分からない。無理しなくていいからねってあっちが無理しているんじゃないのだろうか。

混んでる中からやっと席を見つけ二人で座る。あまり食べようとも思わなかったので結局うどんにした。



「……なんかあったか？」

「え？」


いただきますと呟いた途端、目の前の彼がそんなことを。


「さっきから元気ないで。具合でも悪いん？食欲なかったか？」

「え、あ、ううん。全然、おなかすいてたよ」


顔に出てたのだろうか。たかが一回お昼断られたぐらいで私は何をそんな気分が下がっているのかと。康二くんに変な心配をさせてしまったと、笑ってうどんを啜った。



「そうか、気持ちでも体力でもしんどかったらあんま無理しちゃあかんよ。Aちゃん頑張りやさんやからな、シフトいつでも変わってあげるで。」

「って言ってもほとんどシフトかぶってるじゃん、笑」

「あは、そうやな。お互い社畜や」



康二くんの優しさは出会ったときからずっと変わらない。仲良くなって、それなりにいじったり冗談言い合ったりするくらいにはなったけど、絶対嫌な気持ちになることはしないしこうやってさりげなく優しさを見せる。



「……来月は水曜日に戻れそうだよ」

「ほんま？また3人でおしゃべりできるなぁ」

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