妖と共に最後の導きを 4

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身体は随分と楽になった。
でも、まだ話せたり自力で起き上がることはできなかった。

スムーズに入ってくるようになった酸素を取り入れるので精一杯で、でも心配そうに見つめる彼らに何か反応をしたくて。

声を出そうと、身体を動かそうと。
必死になってどこか力が入るところを探す。



「……あ……ぁ…」

「大丈夫、分かってるから」



虫の息のような声しか出せない私の頭をゆっくりと撫でたふっかさん。そして、握っていた手をそっと阿部くんの手に重ねてくれた。

阿部くんがいる、そうだ。ここは神社の中だ。
帰ってきたんだ。あの声の主は返してくれたんだ。



「ん……ん……」

「うん、ずっと阿部ちゃんいてくれるから、安心しな。ちょっと休もうね」


苦しさとは別の涙を流し始めた私を安心させるように声をかけたふっかさんが、阿部くんの手の上に重なる私の手をトントンと優しく撫でる。

そして私にぴったりとくっつくように康二くんが身体を寄せた。ここで眠るときはいつも彼がいてくれたなと思い出して、またそれにも安心感を感じて。


「ほら、阿部ちゃん。声かけてあげな」


泣いていることは分かる。けど後ろにいる彼の表情は見えなくて。ふっかさんの言葉に私を抱える腕の力をぎゅっと強めた彼。



「……Aちゃん」



ただ私の名前を呼んだだけだった。
でも、今はそれだけでよかった。

降りてくる瞼に逆らわず、身体を彼に預けて。
気持ちだけでも、重なる彼の手を握って。


ここに戻ってこれたことが、夢じゃありませんように。


そう願いながら私はまた眠りに落ちる。






・







"ごめんね"



……誰？




"僕傷つけちゃった"




さっきの……？




"僕はどうすればあったかくなれるの？"




貴方は誰なの？




"……君みたいな人に出会いたかった。僕が傷つけちゃうから……？"




ねぇ…？教えて？




"あの人が羨ましい。本当は返したくないよ"








"でも…あの人は傷つけてなかった。僕の負けだ"

君の存在感→←僕の負けだ

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