判明 ページ9
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『Aちゃん、お疲れ！』
「あー…お疲れ様です」
『そうだ、この間言ってた店行こうよ。もう上がれるでしょ？』
「あはは…」
相変わらずチーフは私に構ってくる。チーフという立場上社員の仕事を把握しているのもあるだろう、私がひと段落かなと帰ろうとするとこうやって声をかけてくるんだ。
「すみません、私もうちょっと残りたくて」
『あの案件でしょ？あれ締め切りまで余裕あるから大丈夫だよ、Aちゃんならすぐ終わるって』
「いやまぁ…あーでも、私ちょっと有給使いたい日があるので早めにやっておきたいんです」
『じゃあ俺やっとくよ？もう残ってる社員も少ないしさ』
やっとくよじゃないよ……
どうにかして私をご飯に連れて行こうとするチーフに心の中でため息をつく。今日残りたいなんてのも有給とりたいなんて日もチーフから逃れるための咄嗟の嘘なのに効きやしない。
どう逃れようか。そう考えてるうちにチーフが私の肩を気安く触った。
『いつも頑張ってくれてるからね』
気持ち悪い。本当にこの手が私は苦手だ。
こんな漫画であるようなわっかりやすいセクハラ本当にあるんだって、部下に言い寄って気に入られるために職権乱用する。どこのアニメのキャラクターだよ…
「いえそんな…私なんて全然」
『もう少しで昇給させてあげられるかもしれないんだよ、優秀だからね』
触れられる方がざわざわしてくる。振り払いたい。やめてほしい。ぐっと手を握って生々しい温かさが触れている肩の感覚に耐えていると、なぜか思い浮かんだのは阿部くんの冷たい手。
私が熱を出した時におでこに添えられた手や、触ってみなって差し出された手。私を少し強引に引っ張る手や夢かもしれないあの川のほとりで掴んだ手。
全部冷たかった。でも、無性にあの手が恋しい。
『チーフ』
その時、誰かがチーフを呼んだ声が聞こえて。ぱっと振り向くとそこには笑顔の伊藤先輩がいた。でも私はその笑顔が偽りだってすぐに気づいた。私に優しく指導してくれていたあの時とは全く違ったから。
『お疲れ様です、今日ご飯でもどうですか？私チーフのオススメ気になってるんです〜』
『あぁ、お疲れ。すまんな、今日は先客がいてな』
『え〜そんな、チーフこの前もじゃなかったですか？』
甘ったるい声だった。私や他の社員には発しない、正直気味の悪い声だった。突然の事に顔を歪めていると、先輩はチーフに見えないようにぎろりと私を睨んだのだった。
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ぽぷら(プロフ) - まいさん» ぜひこれからもお読みいただければ！嬉しいご報告ありがとうございました！🙌 (2022年6月8日 22時) (
レス) id: 0e689a64ff (このIDを非表示/違反報告)
ぽぷら(プロフ) - まいさん» コメントありがとうございます！ゴーストさんもお読みくださったんですね、とっても嬉しいです！ファンタジー作品が多めなので、どれかを見つけて気に入って下さった方はもしかしたら他にもお口に合うものがあるかもしれません☺️ (2022年6月8日 22時) (レス) id: 0e689a64ff (このIDを非表示/違反報告)
ぽぷら(プロフ) - むったんさん» コメントありがとうございます！お返し遅くなってしまいすみません。次回更新で移行になりますので、是非そちらでも楽しんでいただけたらなと思います☺️ (2022年6月8日 22時) (レス) id: 0e689a64ff (このIDを非表示/違反報告)
まい(プロフ) - いてとても驚きました笑これからも素敵なファンタジー作品を楽しみにしています いつも素敵な物語をありがとうございます (2022年5月27日 1時) (レス) id: 3478eff812 (このIDを非表示/違反報告)
まい(プロフ) - コメント失礼します以前作者様が書いていたハーフゴーストが大好きで、この作品、ハーフゴーストどちらもたまたま検索欄から見つけ夢中になっていました。そこでハーフゴーストを読み返していてこの作者様は他にどんなものを書いているのかなと見ていたらこの妖を書いて (2022年5月27日 1時) (レス) id: 3478eff812 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽぷら
| 作成日時：2022年5月16日 0時
