派遣のお願い ページ40
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「え…私結構手一杯なんですけど」
『だよなぁ、でもみんなパンパンなんだよ。Aちゃんのスピードならいけるって、な?』
これじゃあフリーに転身する準備ができても会社での仕事が終わらなくて辞められないんじゃないか。そんなことが頭に浮かぶほど、最近やけに仕事が回ってくる。
チーフも申し訳なさを感じているのかそれともあのふっかさんとの光景を見たからなのかは分からないけど、すこーしだけ誘ってくることが減り。それはありがたいけどいくら何でも抱える量が多すぎる。
『私もやりますよ、2人で進めていいですか』
『あぁ、とりあえず頼む』
隣の同期が見かねたのか声をかけてくれて。チーフが去っていくと顔を見合わせて苦笑い。
「ごめん、ありがと」
『いや、本当これは支え合わないとやってらんない』
こうやって仕事を頼まれている所を見ると手差し伸べたくなってしまうほど、私のみならずうちのチームは最近いっぱいいっぱいなのだ。なぜなら
『また伊藤先輩は休みだしねぇ』
「いやむしろその影響でしょ?」
『だろうね、一人いなくなっただけで負担が大きすぎる』
うちのリーダーである先輩の欠勤が続いているから。それに追い打ちをかけるようにやけに最近は受注が多いらしい。クオリティの向上面でもこんなに余裕が無いと少し心配になるほどなんだけど。
「はぁ…」
『いっそチーム編成し直してほしいね。ちょっといいとこにランチ行こ、やってらんない』
「賛成」
時刻はお昼。照くんに食べなって言われたし、同期の言葉を受けて全然片付いていないタスクを背に席を立った。
「え、まじ?」
『うん、お試しで』
「へぇ…凄いね。実際どうなの?」
『最近忙しいって話をしてたからご飯とか用意してくれる。それだけでマジでありがたいし労わってくれる人がいるっていうだけで心の余裕が違う』
「そうなんだ…」
ランチ中の話題は同期が彼氏と同棲を始めたという事。相手がいるのは知ってたけどとうとうそこまでいったか…と驚きの気持ち。高身長でイケメンらしい。
「確かになぁ、それはそうかも」
『Aも急速に彼氏作って同棲しな』
「その前に仕事が落ち着く事を願ってる」
自分達の状況を自虐するように苦笑いし合う。頭の片隅に思い浮かぶ人物に気付かないフリをしたけど、逆に考えてしまうのは私もそろそろ限界が近いのだろうか。
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ぽぷら(プロフ) - まいさん» ぜひこれからもお読みいただければ!嬉しいご報告ありがとうございました!🙌 (2022年6月8日 22時) (レス) id: 0e689a64ff (このIDを非表示/違反報告)
ぽぷら(プロフ) - まいさん» コメントありがとうございます!ゴーストさんもお読みくださったんですね、とっても嬉しいです!ファンタジー作品が多めなので、どれかを見つけて気に入って下さった方はもしかしたら他にもお口に合うものがあるかもしれません☺️ (2022年6月8日 22時) (レス) id: 0e689a64ff (このIDを非表示/違反報告)
ぽぷら(プロフ) - むったんさん» コメントありがとうございます!お返し遅くなってしまいすみません。次回更新で移行になりますので、是非そちらでも楽しんでいただけたらなと思います☺️ (2022年6月8日 22時) (レス) id: 0e689a64ff (このIDを非表示/違反報告)
まい(プロフ) - いてとても驚きました笑これからも素敵なファンタジー作品を楽しみにしています いつも素敵な物語をありがとうございます (2022年5月27日 1時) (レス) id: 3478eff812 (このIDを非表示/違反報告)
まい(プロフ) - コメント失礼します以前作者様が書いていたハーフゴーストが大好きで、この作品、ハーフゴーストどちらもたまたま検索欄から見つけ夢中になっていました。そこでハーフゴーストを読み返していてこの作者様は他にどんなものを書いているのかなと見ていたらこの妖を書いて (2022年5月27日 1時) (レス) id: 3478eff812 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぽぷら | 作成日時:2022年5月16日 0時