・ ページ32
・
阿部くんのありがたい説明は陽が落ちるまで続き、その間さっくんはずーっと私と手を繋いだだまま隣にいた。手にはさっくん、膝には康二くん。その状況で阿部くんの話を聞いて空いてる方の手で携帯にメモを取ったり。
「おーい、夕飯だけど終わる？」
「あぁ、もうそんな時間か。でもある程度は話せたかな」
ふっかさんが顔を覗かせて話しかけてきて、阿部くんは大丈夫そう？って私に確認してからパソコンを閉じた。
「なんか色々ひっついてんね」
「右手と膝がほかほかです」
「ははっ」
私の様子を見て笑ったふっかさんは晩ご飯を取りに行ったよう。さっくんはご飯だーってまたニコニコしている。
「ありがとう阿部くん、やってみる」
「しばらくはお仕事と両立しなきゃいけないから大変だろうけど、Aちゃんなら大丈夫だと思う。またなんかあったら聞いて。」
そう言って阿部くんはふっかさんのパソコンを片付けに行った。
「かっこよかったねぇ」
「ん？何が？」
「阿部ちゃん！難しい話してるの頭よさそうでかっこいいー」
「あー、そうだね。凄いよね」
阿部くんが去っていった方向を見てニコニコしてるさっくん。この時間ずっとかっこいいなぁって思いながら黙って隣にいたのかと思うとなんか可愛い。それにしても結構な時間だったけど。
「かっこいい阿部ちゃん好きなんだ」
「そっかぁ」
「真剣な顔ちょーかっこよくない？」
「うん、そうだね」
「めーっちゃカタカタするの速いの」
「ん？パソコンかな？」
「ふっかの何倍ってくらい！俺びっくりしちゃったー」
阿部くんの事を楽しそうに話すさっくんは自分の事のように得意げで嬉しそう。ただそれと同時にずっと握っていた手の力が一度ぎゅっと強くなって。
「Aちゃんとずっと一緒にいてくれたらなぁ」
「ん？私？」
「そしたらね、阿部ちゃんもっとかっこよくなるし俺の好きな阿部ちゃんいっぱい見れると思う」
表情はやっぱりにっこにこ。ただ少しだけその発言が引っかかる。そのまんまの意味だろうけど…どこか理解が出来ない。どういうことだ。
「さくまー照またどっかいったから呼んでー」
「はーい！ひかるー！ごはんだよー！」
廊下から聞こえたふっかさんの声に元気に反応したさっくん。その後、さっくんはご飯中を除いて私が帰るまで手を離さなかった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2495人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぽぷら(プロフ) - まいさん» ぜひこれからもお読みいただければ！嬉しいご報告ありがとうございました！🙌 (2022年6月8日 22時) (
レス) id: 0e689a64ff (このIDを非表示/違反報告)
ぽぷら(プロフ) - まいさん» コメントありがとうございます！ゴーストさんもお読みくださったんですね、とっても嬉しいです！ファンタジー作品が多めなので、どれかを見つけて気に入って下さった方はもしかしたら他にもお口に合うものがあるかもしれません☺️ (2022年6月8日 22時) (レス) id: 0e689a64ff (このIDを非表示/違反報告)
ぽぷら(プロフ) - むったんさん» コメントありがとうございます！お返し遅くなってしまいすみません。次回更新で移行になりますので、是非そちらでも楽しんでいただけたらなと思います☺️ (2022年6月8日 22時) (レス) id: 0e689a64ff (このIDを非表示/違反報告)
まい(プロフ) - いてとても驚きました笑これからも素敵なファンタジー作品を楽しみにしています いつも素敵な物語をありがとうございます (2022年5月27日 1時) (レス) id: 3478eff812 (このIDを非表示/違反報告)
まい(プロフ) - コメント失礼します以前作者様が書いていたハーフゴーストが大好きで、この作品、ハーフゴーストどちらもたまたま検索欄から見つけ夢中になっていました。そこでハーフゴーストを読み返していてこの作者様は他にどんなものを書いているのかなと見ていたらこの妖を書いて (2022年5月27日 1時) (レス) id: 3478eff812 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ぽぷら
| 作成日時：2022年5月16日 0時
