次のサプライズ ページ43
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バーン!
「うわっ!……あれ、ラウールくん?」
「はぁ…はぁ……きいてっ!受かった!!」
「え?」
「受かった!合格!!」
ある日。営業後のカフェにお邪魔してコーヒーを飲んでいた。亮平くんはちょっとお仕事ーって裏に消えていて、私は宮舘さんと世間話をしていた。
「あっ……大学?」
「そう!今日発表で!」
多分駅から走ってきたのだろう。息を切らしてカフェのドアを勢いよく開けたラウールくんは鼻を真っ赤にしている。
写真に写る受験番号を見せてくる彼はとっても嬉しそうで、ここで亮平くんに見守られながら勉強していた姿を思い返して頑張ってたもんなぁって私も嬉しくなった。
「すごいじゃん!おめでとう!!」
「へへ、だてさんのご飯とAさんの応援のおかげ!」
「おめでとう、頑張ってたもんね。お腹空いてる?何か作ってあげようか?」
「やった!豪華な賄いお願いしまーす!」
リュックを置いて、マフラーを解いて。
私の隣に座ったラウールくんは受験番号と共に撮ったという笑顔の写真を見せてくる。
背も高くて顔が整ってて。だけどピースをしているその写真のラウールくんはやっぱりちゃんと高校生だ。あどけなさと大人っぽさが混在する、きっとこれからもっと素敵な人になっていくんだろう。
「そっかぁ、じゃあもうすぐラウールくんとお別れになっちゃうのかぁ」
「え!何でですか!僕あと4年はここで働きますよ!」
「え?」
「通います!」
「えぇ?大変でしょ…?」
「Aさんとお話ししながらなら電車もあっという間ですもん!今と対して出る時間変わらないし!ここで働きたいし!」
だからよろしくお願いしますってニコニコしながらぺこりと頭を下げた彼。そうきたかぁ。
「もう阿部ちゃんには言ってあるんで。落ちても受かってもまだお世話になりますーって。なんなら平日も入ろうかなーって!」
「そっかぁ、じゃあ2人も助かるね」
「だからいっぱい来てくださいね!」
来年からも彼との電車通勤は継続なようで。ただ制服姿はもう少しで見納めかと思った私は何だかちょっぴり寂しくなる。
「Aちゃーんおまたせー……あれ、ラウ。どしたの」
「阿部ちゃん!これ!みて!」
裏から出てきた亮平くんにまた受験番号を見せる彼。一瞬キョトンとしたけどすぐに理解したらしく、びっくりしてから笑顔を見せた。
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ぽぷら(プロフ) - takkimakkiさん» コメントありがとうございます!お返しがかなり遅れてしまった事をお許しください💦大切に読んでくださったみたいで嬉しいです。Twitterの方も楽しんでいただけてるかな?お付き合いいただきありがとうございました! (7月14日 1時) (レス) id: 0e689a64ff (このIDを非表示/違反報告)
ぽぷら(プロフ) - 颯楓さん» いえいえ!とっても嬉しいです、ありがとうございます。そしてかなり遅れてのお返しになってしまいすみません💦とても感情移入しながら読んでいただいたんだなと思います、お付き合い頂きありがとうございました(^^) (7月14日 1時) (レス) id: 0e689a64ff (このIDを非表示/違反報告)
ぽぷら(プロフ) - ちーさん» コメントありがとうございます!一年以上の時差でのお返しにになってしまったことをお許しください💦お付き合い頂きありがとうございました! (7月14日 1時) (レス) id: 0e689a64ff (このIDを非表示/違反報告)
takkimakki(プロフ) - 初めて、ぽぷらさんのお話に出会えたのがこの作品でした。世界観に引き込まれて、桃色さんとのやり取りに苦しくなったり、緑色さんとのやり取りにギュンとしたり。とにかくステキでした。他の作品も読ませていただきます。Twitterもフォロリクさせていただきました! (2023年1月9日 4時) (レス) id: ff744b84c3 (このIDを非表示/違反報告)
颯楓(プロフ) - 同じ日に別の作品にそれぞれコメントしてしまってすみません、あの、こちらの作品の世界観もよすぎてこの感動を伝えずにはいられませんでした,,,!桃さんとの間にけじめをつけるシーンがもう読んでいて泣きそうになってました,,,ありがとうございます!!! (2022年3月23日 4時) (レス) @page48 id: 263fa867c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぽぷら | 作成日時:2021年11月27日 18時