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「うわ！かっこいい！手帳？」
「あ、うん」
彼の声でぐるぐると考えていた思考の中から呼び戻された。深めの緑のカバーの手帳、そしてちょっといいボールペン。
「わ！しかもカレンダー付きじゃん！ちょうど1月からの買おうと思ってたんだよね！」
「ほんと？よかった」
「ボールペンはもう明日から使う！めっちゃ嬉しい、ありがとうAちゃん」
手帳とボールペンを持って嬉しそうに笑う亮平くん。こんなに喜んでくれるなんて全然思ってなかった。素直に嬉しくなって、そして真っ直ぐに私を見てお礼を伝える亮平くんになんだか恥ずかしくなって口角を上げたまま俯いてしまった。
何かよそよそしくなっちゃったな。
「Aちゃん」
そんな私の顔をわざわざ覗き込むように見た彼。その距離があまりにも近くてドキッとしてしまうと同時に
"……ごめん、冗談って言ったのに。"
あのゼロ距離で見た佐久間を思い出してしまう。状況がさ。もう、何で。
「あ……なに？」
「あのね、舘さんとラウがケーキ作ってくれたんだけど流石に3人じゃホールは食べきれなくて。明日お店来てくれない？ケーキ食べてよ」
「いいの？」
「うん、めっちゃ美味しかったから！お店閉まったら来てよ、一緒に食べよ」
そう言って寒いし帰ろっかと立ち上がった亮平くん。それに続いて立ち上がった時に見えた駅の時計があと5分で今日の終わりを示すことに気がついて。
「亮平くん」
「ん？」
「お誕生日、おめでとう」
危なかった。言えない所だった。
「うん、ありがとう」
その笑顔にまた胸が高鳴る。
でも、さっきの佐久間のことがあったからか
なぜかうまく笑えない自分がいた。
乗り換えの電車を待っていた時に嫌でも考えてしまった佐久間のこと。
彼が言う"冗談"って何のことかって、その疑問はすぐに解決されてしまった。
それは2軒目に行くとか、俺んち泊まれとかそう言うんじゃない。多分、そのもっと前の冗談。さすがにそれに気づかないほど鈍くはなくて。
"ばーか。冗談だよ、例えばの話。"
「……Aちゃん？」
「あ、ごめん。帰ろっか」
好きかもしれないと自覚した人が目の前にいる。ただ、ずっと一緒に働いてきた同期からあんなことされて。
"じゃあ俺がお前のこと好きって言ったら？"
"その途端に意識しない？"
言われてないのに意識していた。途端に。
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ぽぷら(プロフ) - takkimakkiさん» コメントありがとうございます！お返しがかなり遅れてしまった事をお許しください💦大切に読んでくださったみたいで嬉しいです。Twitterの方も楽しんでいただけてるかな?お付き合いいただきありがとうございました！ (7月14日 1時) (
レス) id: 0e689a64ff (このIDを非表示/違反報告)
ぽぷら(プロフ) - 颯楓さん» いえいえ！とっても嬉しいです、ありがとうございます。そしてかなり遅れてのお返しになってしまいすみません💦とても感情移入しながら読んでいただいたんだなと思います、お付き合い頂きありがとうございました(^^) (7月14日 1時) (レス) id: 0e689a64ff (このIDを非表示/違反報告)
ぽぷら(プロフ) - ちーさん» コメントありがとうございます！一年以上の時差でのお返しにになってしまったことをお許しください💦お付き合い頂きありがとうございました！ (7月14日 1時) (レス) id: 0e689a64ff (このIDを非表示/違反報告)
takkimakki(プロフ) - 初めて、ぽぷらさんのお話に出会えたのがこの作品でした。世界観に引き込まれて、桃色さんとのやり取りに苦しくなったり、緑色さんとのやり取りにギュンとしたり。とにかくステキでした。他の作品も読ませていただきます。Twitterもフォロリクさせていただきました！ (2023年1月9日 4時) (レス) id: ff744b84c3 (このIDを非表示/違反報告)
颯楓(プロフ) - 同じ日に別の作品にそれぞれコメントしてしまってすみません、あの、こちらの作品の世界観もよすぎてこの感動を伝えずにはいられませんでした,,,！桃さんとの間にけじめをつけるシーンがもう読んでいて泣きそうになってました,,,ありがとうございます！！！ (2022年3月23日 4時) (レス) @page48 id: 263fa867c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽぷら
| 作成日時：2021年11月27日 18時
