魔法使いと恋心

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「あべちゃーん」

「お疲れ佐久間」

「お疲れー、ねぇねぇ阿部ちゃんとAちゃんってすごい仲良しだよね」

「何、嫉妬？笑」

「違うって。単純に疑問だったんだよね、ふっかもだけど何でこんなに仲良しなんだろうって」


度々食事に行くようになった俺と佐久間は今日も勤務終わりに2人でいた。もちろんAちゃんといる時間の方が多いだろうけど何かと一緒にいることが増えた俺は佐久間の良き友達で良き相談相手でって感じだと思う。俺も一緒にいて楽しいし。


「んー、何でと言われればやっぱ同僚だからってのが大きいだろうけど。ほら、俺もふっかもアトラクションに配属されてしかもその中でも結構な量のセリフなんかを覚たりしなきゃないところだったからさ。その練習に付き合ってくれたりとか応援とか良くしてくれたんだよね。本人も覚えることたくさんあっただろうに」

「へぇ〜Aちゃんらしいなぁ」

「勤務する時間も大体一緒だからそれこそこうやってご飯食べに行ったりね」

「別に変な意味じゃないよ？変な意味じゃないんだけど好きになんなかったの？」


佐久間が聞いたのはそんなこと。多分だけどお互いの事を詳しく知らなかった時は嫉妬されてたと思う。恋仲ではないけど確かにAちゃんとは仲良い自覚はあるし、まぁそれはふっかもだけど俺と彼女の相性はいいと思う。変な意味じゃなくてね？友達として。


「あはは、どう思う？」

「えぇ、そんな答え方されたらそう言う事って思っちゃうけど」

「んー、まぁ。好きになりかけたってとこかな？」

「え」

「共にキャストとして頑張ってきた同士っていうのが強いから本当に恋仲に発展した事はないよ。でもそうやって一生懸命に練習に付き合ってくれたりとか、プライベートでも話しやすいところがあったりして最初少しだけ気になったところはある」


ほんの少しね。ほんの少し。
今は佐久間と幸せになってくれればって本気で思ってるし、じゃなかったらこんなお節介してない。

あくまでも過去の話だって事を踏まえて俺は佐久間にこうやって話をした。

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