ようこそ、ご相談ですか？4

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「でも…そのタイミングで阿部さんから電話がかかってきた時に気づいたら通話ボタンを押してました。何か…一度電話してくれた時も感じたんですけど阿部さんの声聞くと凄く落ちつけたんです。少しだけど苦しいのがなくなって…だから外に出る前に阿部さんの声が聞きたかったんじゃないかなって……」


起きては気を失っての繰り返しだった私。でも阿部さんと話した時だけ少しだけ楽になってシャワーを浴びたり着替えたりできた。確か朝を迎えて私はお仕事に向かおうとしたはず。それも阿部さんの声のおかげなのかもしれないと思った。

結局あの写真のせいでまた気を失うことになったんだけど。



「……俺の声、聞こえない？」

「心…ですか？」

「うん」

「はい…」

「そっか」


ただ心の方は今まで会話ができていたのに何も聞こえない。別にこうやって声を出せば会話だって当たり前にできるけど、何だか寂しいし悲しくなる。


「でも俺はちゃんと言葉にするからね、だから俺の声を聞いてて。心の中じゃなくてこうやって発してる声で今までよりもたくさん話そう？それで安心してくれるなら俺も嬉しいし、俺だって安心できる」


パーカーのフード越しに頭を撫でられるとそれで無性に泣きたくなってしまった。さっきからずっと何故かは分からないけど寂しくて心細くてひとりぼっちな気がして。さっきまで佐久間さんもいたし今阿部さんもいるのに。なんでだろうか。

膝を抱えてぎゅっと体を小さくした。気がついたら周りに誰もいなくなってる気がして怖くなる。

阿部さんは何も言わずにずっと頭を撫で続けてくれていた。



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「あべちゃーん」

「しー」

「あ、寝ちゃった？」

「うん」

「疲れただろうねぇ、ベッドに寝かせてあげよ」

「ねぇ佐久間」

「ん？」

「……聞かなかったことにしといて、多分聞こえてたでしょ」

「なんでよ、阿部ちゃんかっこよかったよ？」

「ずるい気がして」

「ずるい？」

「もちろん調査のために言わないって決断は間違ってないと思う。だけど…私情みたいなもんだから」

「俺が阿部ちゃんだったとしても同じことすると思うけどな。使える力は最大限に使えばいいよ、それでみんな阿部ちゃんに助けられてる。ちょっとくらいずるくたっていいじゃん。なんならベッドで一緒に寝てきたらー？」

「バカ。さくまと雑魚寝だよ」

「えへへ、熱い夜になりそうですなぁ」

「うるさいよ」

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