【銀魂】今日も傘屋は巡りゆく【坂田銀時】 (ページ8)

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番外編1【お酌をどうぞ】ページ8

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「旦那ぁ、ちょっといちご牛乳持ってってくれません?貰い物なんですけど、こんなに消費しきれないもんで」

「えぇ喜んで」

「ほんと旦那糖尿病予備軍...」

「予備軍じゃねぇ本軍だ!!勘違いすんな!!」

「キレんなインスリン浪費軍」

国の医療費も考えてくださいよ。と念押ししつつ、冷蔵庫に詰め込まれた何本かのいちご牛乳を取り出した。

パックを開けると、そこら中が甘い匂いで満たされるのが分かる。
とりあえず体に良さそうとは言えないけれど可愛らしいピンク色のそれを小さめのグラスについで、旦那に差し出した。

「...お前は飲まねぇの?」

「数日間ずっと飲んでるんでいいです...」

「あー、そりゃご苦労さん」

旦那は気の毒そうな顔で私を見てから、ごくりといちご牛乳を一気飲みする。
空になったグラスを机に置くと、旦那はふう、と一息ついた。

「あれ、喉乾いてました?お茶ありますけど」

「いちご牛乳以外は体が受け付けねぇ」

「わぁ中毒。
じゃあ、パックごとここに置いとくので。好きなだけ飲んでください」

ちょっと仕事があるので。そう一言残し、店奥に戻ろうとすると。

「おいおい? 接客はどうした店主さんよ。お客様は何様だ?」

「坂田銀時様ですね」

「あー微妙に違ってなくてつっこめない」

急にヘンテコなことを言う旦那を不思議に思いながらじっとしていると、旦那はくしゃくしゃと頭を掻きながら「だぁー!!察しが悪ぃなコノヤロー!!」とキレ気味に言った。
このキレ具合、血糖値急低下したのかな...とか昨日見た番組の内容を冷静に振り返ってしまう。

「やっぱり糖分ってよくない...じゃなくて、えーっと、申し訳ないんですが今日はパフェ買ってなくてですね」

「そうじゃねェよ!!そっちの気遣いには感謝してっけどよ!!」

「え?え?どういうことなんです?」

「だァから、」

はぁぁぁ。と、旦那は椅子に座りながら盛大なため息をつき、とても疲れた顔で私を見上げた。
そして何かと思えば、スっと私の前にグラスを差し出して言う。

「...酒だと思って注いでみな」

「...あ、そういうことですか」

「そういうことだよ」

察し悪くてすみません、と少し笑いながら旦那に謝った。
呆れ顔でお前らしいなと返されたことは、いい方向で受け取っておくことにする。

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