【銀魂】今日も傘屋は巡りゆく【坂田銀時】 (ページ1)

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49 管鮑の交わりページ1

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とあるライバル店の、オープン前日のとんでもない行列を目にしてしまった(というか自分から見に行った)私は、何かを考える余裕も無く、ただ前を行く八雲について行く他なかった。

はっきり言うとあれは現実だったのかと割とまじで疑問を抱く始末である。

「はぁ……てか八雲、道覚えてんだ」

「まぁ結構何回も来てるからな」

まだ餓鬼の癖にしっかりしやがって。
くそ、羨ましいなおい！

「で、無事到着したわけだけど。
Aびっくりすると思うよ」

「わー、あんたがびっくりっていうと年相応って感じ！」

「なんだろう今の無性にイラッときた」

「……」

怒った時の八雲の恐ろしさは身にしみるほど分かっています。

これ以上余計なこと言うと本当に八雲の青筋が浮き出そうだったので何も言わず、

「ただいま紀阪が帰りましたよーっと」

店の戸を開ける……と。

「遅かったな……」

何故か若干疲れてる顔の旦那と、

「遅かったですねェ」

眠たそうな顔の沖田君と。

そして、奥にいたもう一人は。

「おかえり」

＿＿＿＿...屈託の無い温和な笑みに一瞬目を奪われる。
いや……突っ張っていた糸をすっと解くような、そんな言い方の方が近いかもしれない。

なんとなく不思議な雰囲気を纏っているその人は、紛れもなく、私がこの江戸で、一番古くから付き合いのある人で。
しかしそれと同時に、そう頻繁には会えない人でもあって。

今日会う約束なんて、してなかったのに。

「……予想通りの反応」

驚きのあまり、ふっと八雲に鼻で笑われるまで棒立ちになっていた。